出版社内容情報
長時間労働、男女格差、パワハラ、組織の不祥事まで、日本企業の根深い問題を「分け」て解決! テレワークがうまくいく考え方の基本がここに。
内容説明
かつて、個人が組織や集団と融合していることは、日本企業の強みとされた。しかし、工業社会から情報社会への転換によって、仕事の内容が変わり、働く人が多様になった。今、働き方改革の最重要課題は、明確な役割を持つ多様な個人が共に働く組織をつくることである―。長時間労働、男女格差、パワハラや生産性の低下まで、日本企業の根深い問題は「分ける」戦略で解決できる!仕事、職場、キャリア、認知の四つの次元から、組織から個人を分け、その上で統合する方策を示す。
目次
序章 「分ける」と働き方は変わる
第1章 仕事を分ける
第2章 職場を分ける
第3章 キャリアを分ける
第4章 認知的に分ける
終章 分けて統べる
著者等紹介
太田肇[オオタハジメ]
1954年生まれ、兵庫県出身。公務員を経験の後、三重大学、滋賀大学を経て同志社大学政策学部教授。経済学博士。専門は組織論。組織学会賞、経営科学文献賞などを受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
T66
8
「同調圧力」が非常に面白かったのでこちらも。目から鱗が落ちる箇所が多かった。「分けると解消される職場の悩み」→これほんとにそう。「みんなで協力して」というと響きはいいが、結局分担があいまいで、統制とる人がいないと無駄が多そう。「大部屋で仕切りがないのは日本だけ」→在宅勤務とは、大部屋からひとっ飛びに完全個室になったのか、と腹落ちした。「察して」いた業務量や人の癖、意欲等全てを可視化するには仕組みが必要ということか。「転職の機会があれば残業も抑制される」→自己犠牲を貢献と勘違いしている社員が多い。図書館本2021/12/05
Yappy!
6
日本人ほど自分勝手な民族はいないと常日頃思っていたけれど、同じように捉えられている内容があった。日本人は集団主義というのはステレオタイプでどちらかというと組織などの大きなものを隠れ蓑に自分が楽に気持ち良くみんなと一緒にだれている・・と悪くも言えるんだなと、読んでみた感想。 職務内容だけでなく、現状の分析から様々なレベルの分化うを提案し、予想される解決先も垣間見せる。気持ちが高揚するとか、一体感とか、精神論的なもののうち意味のない部分も論理的に分析して指摘。非効率の元凶はやりがいだの達成感だのの先行か・・2020/09/21
しゅー
3
★★職場に置いてあったので斜め読み。積ん読してる『日本人の承認欲求』より、こっちの方が面白そう。「分ける」をキーワードに働き方改革を語る。さすがに一つの言葉で全てを切るのは強引すぎたかなと言う場面もあるものの、焦点をしぼった強みは活きていると思う。著者いわく組織から個人が分化されていないことが日本企業の諸悪の根源。自由/協働と言う二項対立を「分ける」施策で脱構築するのがポイント。確かにカイシャも学校も個人が尊重されないのが日本社会。直前に読んだ『教えないスキル』も日本のスポーツ界に同様な病根を見てたなぁ。2022/04/27
nnnともろー
2
同調圧力の強い日本。組織と個人を分けることで働きやすくなる。管理職の意識改革が一番必要だろう。誰のための働き方改革なのか。2021/01/18
白ワイシャツ
2
働き方改革というよりも、組織論として分化することの大切さを説いた本。マネジメントの考え方として参考になる。2020/09/17