内容説明
「自分」とは、「社会」とは。私たちの「生きにくさ」はどこから来ているのか。難解な語を排し、日常の言葉で綴る待望の哲学入門。
目次
第1章 自分と向き合う
第2章 人と交わる
第3章 社会の目
第4章 遊ぶ
第5章 老いと死
第6章 芸術を楽しむ
第7章 宗教の遠さと近さ
第8章 知と思考の力
著者等紹介
長谷川宏[ハセガワヒロシ]
1940年島根県生まれ。1968年、東京大学文学部哲学科博士課程修了。自宅で学習塾を開くかたわら、原書でヘーゲルを読む会を主宰するなど在野の哲学者として活躍。一連のヘーゲルの翻訳に対し、ドイツ政府よりレッシング翻訳賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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抹茶モナカ
30
観念的、抽象的思考について書かれた物ではなく、極めて常識的な著者の思考の跡を辿れる本。「高校生のための哲学入門」という題がどうなのか、という問題もあるかもしれない。哲学的思考の力を身につけようと、40代になってから読んでみたのだけれど、高校生の頃に読んでも理解出来なかったろう、と思う箇所もありつつ。今だから、理解出来ている部分もあるような。それなりに、噛み応えのある本ではあったけれど、果たして、「哲学」なのか、というところ。2015/12/01
baboocon
24
「高校生のための」とタイトルにはあるが、著者も“はじめに”で書いているように、誰が読んでもいい内容です。哲学というと言葉遊びのような文章をこねくり回したり、やたらと小難しいイメージがあるけれど、この本は入門というだけあってとっつきやすい。第1章の「自分と向き合う」思春期にかけて、それまで外に向かっていた意識が押し返されて自分へと還ってくる。そこが哲学のはじまりなのかな?第6章の「芸術を楽しむ」もこれまで自分が考えていたような芸術を楽しむには知識が必要だという思い込みをバッサリ否定していて新鮮だった。2011/04/17
SOHSA
20
「高校生のための〜」という題名に惹かれて本書を手にとった。高校時代はすでに30数年も過去のことである。あの時代、自分はなにを見つめ、なにを思っていたのだったか。そんなことを少しずつ思い出させてくれる本であった。前半は当たり前のことを今更という感が強かったが、読み進めるうちに次第に引き込まれていった。特に後半の「老いと死」「宗教の遠さと近さ」「知と思考の力」の各章を読んでいる時にはすっかり高校時代の自分に戻ったようだった。「高校生の」とは言いつつ、その時代を通りすぎた大人のための本であると強く感じた。2013/01/29
太田青磁
19
哲学ということは考えることなのだなあ。タイトルの持つイメージと読後感はちょっと違いました。哲学を難しく考えるより、著者のように身の回りと関連づけて感じるのが良いのかも。2013/01/28
佐島楓
18
難しいことは何も書かれていない。だから高校生のための・・・と冠されているわけでもないだろう。どなたが読んでも、発見がある良書だと思う。このような考え方をなさる先生のいらっしゃる塾なら行きたかったかな。あと、真の意味で大人になるって大変だなといい歳になった今でも感じます。2011/09/09