内容説明
社会学の本には、なにが書かれているのだろうか。ミステリとサラダ、音楽、都市、時間、遊歩に人類補完計画!そんな誘惑に充ちた仕掛けが、“社会学すること”へと水先案内する。書物の境界を越え、あなた自身を越えて―。本書を読み終えたあなたは、社会をどのように読むか。
目次
社会学をする、社会(学)を読む
「社会」と「社会学」―書物と知の生態学
ミステリとサラダとアドルノ
パサージュの遊歩者のように
1849年の人類補完計画―清水幾太郎『オーギュスト・コント―社会学とは何か』
共同体と社会の“ねじれ”
『プロ倫』のふたつのコーダ
照らし合う言葉、映し合う社会
書物の時間性と社会の時間性
都市の“重なり”を読み解く
物と交通―社会の物質性、物質の社会性
本の境界、本という境界
著者等紹介
若林幹夫[ワカバヤシミキオ]
早稲田大学教育・総合科学学術院教授。1962年生まれ。東京大学大学院博士課程中退。博士(社会学)。筑波大学教授等を経て2005年より現職。2008年、メキシコ、エル・コレヒオ・デ・メヒコ客員教授。専門は都市論・メディア論・時間論・空間論など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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shimojik
1
ベンヤミン:パサージュは外側のない家か廊下である―夢のように。/書物/思考は全体性をめざしながら完結しない開かれのなかにある。テクストの全体とは見えない全体を捉えようとする試みの一部をなす、とりあえずの断片/レヴィ=ストロース:都市は交響曲や都市になぞらえられる/社会の物質性と物質の社会性は社会を読むために不可欠な観点/マクルーハン:電信により情報が個体から分離を遂げた。貨幣が紙に落ち着いたように/読書とはある本に書かれていることと他の本に書かれていることを結ぶこと。読むことの身体性、本の物質性。2013/01/05
えむ
0
「社会(学)」を読むためのヒントが書かれた1冊。若林氏らしい書きぶりで、読者を「社会(学)」へ招待する。2016/08/13
overbear
0
社会学とは何を目指し、どのようなアプローチをとる学問なのかがなんとなくわかった。次は古典にあたって実践して見たい。2014/10/08