出版社内容情報
ジョン・ロンソン[ロンソン ジョン]
夏目大[ナツメ ダイ]
内容説明
ツイッターやフェイスブックなどのSNSを舞台に、現代によみがえった「公開羞恥刑」=ネットリンチの実態と深層に迫る!
目次
ツイッターのなりすまし
誰も気づかなかった捏造
ネットリンチ―公開羞恥刑
世界最大のツイッター炎上
原因は群衆心理にあるのか?
善意の行動
恥のない夢の世界への旅
徹底的な正直さ
売春婦の顧客リスト
独白劇の捏造
グーグルの検索結果を操作する男
法廷での羞恥
恥なき世界
猫とアイスクリームと音楽と
あなたの現在の速度
著者等紹介
ロンソン,ジョン[ロンソン,ジョン] [Ronson,Jon]
ロンドン在住。コラムニストとして活躍後、TVのドキュメンタリー番組を多数制作、高い評価を受ける。ネオナチやKKKなどの過激思想家にインタビューした『彼ら』(未邦訳)で作家デビュー
夏目大[ナツメダイ]
1966年、大阪府生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
harass
83
ひいきにしている英国人ルポライターの新書。ネットで炎上した当事者や関係者に話を聞く。英米のことで初めて知る話が多い。SNSやツイッターの不用意な発言などで炎上し攻撃される状態は、すでに廃れたはずの公開恥辱刑と同じだと著者は言う。なぜネットでこんな状態になるのか、炎上しても復活する例や、炎上した場合の解決法など。この著者の率直な視点とユーモアな語りはいつもの通りで好ましい。当事者たちと語ることで仮説を修正していくのだが、予想外の展開になり小説を読んでいるようでスリリングだ。ぜひおすすめ。2018/01/06
踊る猫
28
本音を言えば、決して油断がならない本だと思う。ついつい「結局はグーグルが悪いんだ!」と読んでしまうかもしれないが、「恥」や「フィードバックループ」など読み飛ばせない論点が含まれており、新書だがかなりハード。今では忘れられてしまった炎上ネタについて、それなりに細かにフォローしているところも著者の人柄を忍ばせる。私自身TwitterやFacebookで愛想を振り撒いて接する文化に疲れていたので、得心が行くところが多かった。「割れ窓理論」や群集心理についても、類書よりも更にもっとコアな部分を掘り下げる労力がある2020/10/11
funuu
28
ツイッターは今や法律によらない私的裁判の場になっていて、不当に人が裁かれ吊るしあげられているのではないだろうか。人間の持つ否定し難い性質。自分は正しく、自分以外の他人は狂っていると言いたがる性質である。誰にも、心のどこかにそういう気持ちがある。私たちがインターネットの出現以後、作り上げた世界は、ただ愛想良く無難に振る舞っているのが一番賢い そういう世界のようである2017/06/06
ごへいもち
26
読友さんの感想を見て。面白かった。いろいろと考えさせられる。ところでこれが新書?新書の潮目?2017/03/20
ntahima
22
【Kindle-22】セミナーで友人と不適切なジョークを交わした男性を、前の席に座っていた女性がスマホで撮影し批判コメントと共にツイートする。まもなく男性に批判が殺到しやがて会社に知れ、一家の大黒柱である彼は職を失う。彼の「解雇された」という呟きに、今度は告発した女性への非難が集中し、彼女もまた職を失う。ふたりの過ちをふたつの正義が裁き、世界は昨日より少しだけ浄化される。但し、ふたりの後の人生なぞ誰も気にも留めない。現代の『大審問官』達よ、汝らの名前は? 過ちを犯した者を社会的に葬るのがあなた方の大儀か?2017/03/07