内容説明
「生態的な持続可能性と経済的な豊かさを保障する」とされるスポーツハンティングは、一見、人と野生動物との共存をめぐる問題のための理想的な解決策にみえる。しかし、「スポーツハンティングによって野生動物は絶滅しないし、地元の人々はお金をもらって幸せ」というユートピア的なシナリオは、その地域に住む人々も共有しているのだろうか。…地域に住む人々にとって、スポーツハンティング、そして野生動物とはどのような存在なのであろうか。…本書では、生活者の立場と視点から、アフリカにおけるスポーツハンティングと地域社会の関係、そして、人と野生動物の関係の問題をとらえ直すことを目的とする。
目次
第1章 人、獣を狩る(スポーツハンティングの現状とアフリカ;スポーツハンティングの「誕生」とアフリカへの進出;「時代遅れな狂気の遊び」か、「現代の野生動物保全の特効薬」か;本書の視座と目的)
第2章 カメルーン北部州のサバンナに響く銃声(スポーツハンティングと自然保護政策の歴史;スポーツハンティングのいま;政府と観光事業者にとってのスポーツハンティング)
第3章 スポーツハンティングがもたらす光と影―A村の事例(狩猟区に生きる人々;A村周辺の地域史―スポーツハンティングとの「遭遇」;スポーツハンティングがもたらす「光」;狩猟区に住む人々とっての野生動物;スポーツハンティングがもたらす「影」;「光」の拡充と「影」の固持)
第4章 新たな銃声がもたらすもの―X村・Y村の事例(発砲を妨げるもの;差し込む「影」;「私はラミドの言葉に従う」)
終章(護るために「殺されるもの」と欠けた柱;「持続可能性」と重い歴史の「桎梏」)
著者等紹介
安田章人[ヤスダアキト]
1982年生。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かやは
しまゆう