出版社内容情報
自然には不思議なことが多い。なぜ木肌に隠蔽するガもいれば,目立つ目玉模様を持つガもいるのか?クジャクはなぜ雄だけがきれいな尾羽を持つのか?巣内の鳥のヒナは,捕食者から見つかるかもしれないのに,なぜ騒がしく鳴くのか?働きアリは雌なのに,なぜ自分で繁殖せずに妹や弟を育てようとするのか?行動生態学は,このような自然界の不思議の解明に取り組み,生物がその生態の中でいかに適応しているのか,そしてそれはどのように進化したのかを調べる学問である。
本書は,行動生態学の最も良く知られた教科書である『An Introduction to Behavioural Ecology』第4版の日本語版である。原著第2版の日本語版はすでに出版されているが,原著第4版で大幅な改訂が行われたため,日本語版も改訂して出版されることになった。本書では,行動生態学のこれまでの成果,最前線の現状,将来への展望がまとめられている。最近までの研究の成果から,これまでの旧版の内容が否定されたり,強調される部分が異なったりしている場合も多いので,必見の価値がある。行動生態学を学び始めた若い学生・院生はもちろんだが,教育者,研究者もぜひ読んで欲しい教科書である。
第1章 自然淘汰,生態,行動
第2章 行動生態学における仮説の検証
第3章 経済的な意思決定と個体
第4章 捕食者と餌生物:進化的軍拡競走
第5章 資源をめぐる競争
第6章 群れ生活
第7章 性淘汰,精子競争および雌雄の対立
第8章 保育と家族内対立
第9章 配偶システム
第10章 性の配分
第11章 社会行動:利他行動から意地悪行動まで
第12章 協力行動
第13章 社会性昆虫における利他行動と対立
第14章 コミュニケーションと信号
第15章 結論
内容説明
「なぜそのような行動をとるのか?」動物の行動を観察することで見えてくる、自然淘汰と進化の本質。多様な観察例と迫力ある写真を用いて、行動生態学の現状と展望を俯瞰する。微生物からライオンまで、動物の行動に関するあらゆる「なぜ?」の答えがここに!
目次
自然淘汰、生態、行動
行動生態学における仮説の検証
経済的な意思決定と個体
捕食者と餌生物:進化的軍拡競走
資源をめぐる競争
群れ生活
性淘汰、精子競争および雌雄の対立
子の世話と家族内対立
配偶システム
性の配分
社会行動:利他行動から意地悪行動まで
協力行動
社会性昆虫における利他行動と対立
コミュニケーションと信号
結論
著者等紹介
野間口眞太郎[ノマクチシンタロウ]
1987年九州大学理学研究科博士課程修了。現在、佐賀大学農学部応用生物科学科教授・理学博士。専門は行動生態学
山岸哲[ヤマギシサトシ]
1961年信州大学教育学部卒業。現在、山階鳥類研究所名誉所長・元京都大学大学院理学研究科教授・理学博士。専門は動物生態学
巌佐庸[イワサヨウ]
1980年京都大学大学院理学研究科博士課程修了。現在、九州大学大学院理学研究院教授・理学博士。専門は数理生物学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ribes triste
好奇心の横断歩道を渡る!
Bon Voyage
YM