内容説明
シェイクスピアが活躍した劇場ブームの最中、ヨーロッパ初の室内解剖劇場が建てられたパドヴァ大学に留学。その後イングランド王の顧問医を務めるかたわら、1628年『動物の心臓と血液の動きに関する解剖学的研究』を発表、実験による科学的論証で血液は体内を循環することを証明。古代からルネサンスまでつづいたヒト生理学を覆し現代科学のルーツを築いたハーヴィの評伝。
目次
第1章 シェイクスピアの時代、イングランドの青年医師
第2章 血液の循環
第3章 宮廷医として、学者として
第4章 ハーヴィの考えはいかにして受けいれられたか
第5章 晩年のハーヴィと彼が遺したもの
エピローグ 新しい世代へ
著者等紹介
ギンガリッチ,オーウェン[ギンガリッチ,オーウェン][Gingerich,Owen]
ハーヴァード大学名誉教授(天文学・科学史)。スミソニアン天文物理観測所名誉上級天文学者。2006年夏のIAU(国際天文学連合)惑星定義委員会では議長を務めた
シャケルフォード,ジョール[シャケルフォード,ジョール][Shackelford,Jole]
ミネソタ大学医学生物学史課程助教授
梨本治男[ナシモトハルオ]
1971年生まれ。東京理科大学理学部卒業。現在、おもに特許分野の翻訳にたずさわる技術翻訳者、神奈川大学理学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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御餅田 もちこ
2
血液循環説を唱えたハーヴィの伝記。17世紀初頭、解剖は劇場で行われており、一般大衆に公開されていたという。大衆の興味に応えるだけではなく、解剖を見せることによって観察結果に対するコンセンサスを得るという意味合いもあったようだ。この頃の動物実験は、生きたまま部分的な解剖をしたりしていて想像すると痛そうである。2020/06/27
ソーシャ
0
血液循環理論を提唱したハーヴェイの伝記。彼がチャールズ一世の侍医を務めていたのは初めて知りました。王党派から見た清教徒革命というのは新鮮ですね。2012/05/08