農業がわかると、社会のしくみが見えてくる―高校生からの食と農の経済学入門

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 205p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784259518370
  • NDC分類 611
  • Cコード C0061

出版社内容情報

「なぜ日本に農業が必要なのか?」自給率で国の食料事情はわかるのか?」など、食と農に関する素朴な疑問をテーマに、世界の食料、日本の農業、私達の毎日の食生活のつながりをやさしく読み解く。

1限目 世界の食料危機は本当に起こるのか?
・世界の食料事情を測るバロメーター
・「食料」と「食糧」の違い
・食料価格の高騰はどうして起こるのか ほか

2限目 先進国=工業国、途上国=農業国というのは本当か?
・世界中で10億2千万人が栄養不足
・「途上国=農業国、先進国=脱農業国」は間違いである
・農産物を大量に輸入する日本は特異な国なのか? ほか

3限目 国の食料事情は、自給率で本当にわかるのか?
・食料自給率を測る物差しは一つではない
・日本の食料自給率低下の原因は時代によって違う
・穀物自給率95%のバングラデシュが栄養不足? ほか

4限目 地に恵まれない日本の農業は本当に弱いのか?
・土地に恵まれない日本で、元気のいい農業がある
・施設型の農業で気がかりなのは、飼料や燃料の価格
・土地利用型の農業では世代交代が進んでいない ほか

5限目 食料を値段の安い外国産に任せてしまってよいのか?
・なぜ外国の農産物は国内産より安いのか
・日本に農業が必要なわけ
・お金に換算できないところに農業の価値はある ほか

【著者紹介】
1951年、愛知県生まれ。1976年東京大学農学部農業経済学科を卒業。同年農林省農事試験場研究員。北海道農業試験場研究員、東京大学農学部助教授を経て1996年から現職。この間ケンブリッジ大学客員研究員。現在、東京大学大学院農学生命科学研究科長・農学部長。専攻は農業経済学。著書に『新版 よくわかる食と農のはなし』(家の光協会)など著書多数。

内容説明

なるほど、そうだったのか!世界の食料、日本の農業、毎日の食生活。3つの複雑な関係をていねいに読み解き、食と農への理解を深めるユニークな「授業」。

目次

1限目 食料危機は本当にやってくるのか?(食料事情を左右する三大穀物と大豆;「食料」と「食糧」 ほか)
2限目 「先進国=工業国、途上国=農業国」は本当か?(一〇億人が栄養不足;「途上国=農業国、先進国=脱農業国」は正しいか ほか)
3限目 自給率で食料事情は本当にわかるのか?(食料自給率はひとつではない;時代によって違う自給率低下の原因 ほか)
4限目 土地に恵まれない日本の農業は本当に弱いのか?(土地が限られた日本にも元気な農業がある;気がかりなのは飼料や燃料の価格 ほか)
5限目 食料は安価な外国産に任せて本当によいのか?(外国産が国産より安いのはなぜか;日本に農業が必要なわけ ほか)

著者等紹介

生源寺眞一[ショウゲンジシンイチ]
東京大学大学院農学生命科学研究科教授。専門は農業経済学。1951年愛知県生まれ。農事試験場研究員、北海道農業試験場研究員を経て、1987年東京大学農学部助教授。1996年より現職。2007年からは研究科長(学部長)。現在、日本学術会議会員、生協総合研究所理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Aya Murakami

65
タネの未来の裏紹介。 お金に換算できないところ…。使い古された言葉ですが外部経済という(たしかグレゴリーマンキューの教科書に書かれているような)一般的な経済用語で説明されていました。外部の人間がただ乗りできる外部経済…。それが断たれた世界(日本は地下水枯渇などの面ですでにそうなりつつある)がどんなものか…。想像すると怖いですね。後過疎という言葉が60年代後半の造語だというのは初耳でした。2023/02/11

新天地

14
筆者本人も高校生向けに書かれていると言っているがかなり高度な内容。しかし難しいことをわかりやすくが貫かれていて内容もそのスタンスも素晴らしい。就農して×年の自分だがかなり勉強になる。特に勉強になったのは農産物は生き物で、品種の適性もその土地の要素もすべて違うという点や、需要と供給とそこに絡む貿易の問題、食料自給率とはどんな数値でそもそも何を基に算出されているのかまたその狙い等々。2010年の本なので六次産業という言葉はないが、その概念はあったのもすごい。また単純に担い手不足を問題にしていない点も好印象。2017/03/01

メタボン

8
☆☆☆ 日本の農業の課題、そして「食料自給率」の低さをどうとらえるかという点について考えさせられる。全般的に農業の問題についてグローバルな視点で書かれている。農業と消費者との距離を縮めることが大事になってくると思う。フードマイレージ・地産地消・食育・グリーンツーリズム。やっぱり国産の米・野菜・肉(肉の場合は「国産」と言っていいか語弊があるかもしれないが)は、特に地元北海道のものは尚更、明らかにおいしいので、価格は高くても購入したい。2014/02/17

柏もち

7
具体的な数値や経済的知識の利用と歴史の出来事を含め、非常に分かりやすく纏められている。高校生向けなので私には少し物足りなかったが、良書と思う。「先進国日本の食料安全保障の確保と、農業の発展による途上国のフード・セキュリティの改善」の両立を実現できるかは、「ミニマムの必要量の領域を超えたところにまで及んでいる過剰な農業保護」の撤廃合意を取り付けられるか否かにある。 これからの農業について考えるという意味では、五章はとくに大事だ。農村コミュニティが作っている共助・共存の原理のことは忘れないでおきたい。2018/05/27

砂の中のぴぃたぁ

5
農業について、先進国や途上国の現状といったグローバルな視点からスーパーで売られている野菜といった身近な視点まで分かりやすく書かれている。食料自給率が単に高ければ良いものではない、食料生産の現場と消費者の距離が離れているなど、興味深い話も多く書かれていて、入門書としてはとてもふさわしい1冊だと思った。2014/02/08

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/1069974
  • ご注意事項

最近チェックした商品