新潮文庫
死刑の理由

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  • サイズ 文庫判/ページ数 699p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101173214
  • NDC分類 326.41
  • Cコード C0130

内容説明

「極刑をもって臨むほかはない。」1983年の永山則夫第1次上告審判決から1995年まで、最高裁において死刑が確定したのは43件。詳細に記述された判決書をもとに、そのすべての犯罪事実と、一審、控訴審、上告審の各量刑理由をわかりやすくダイジェストした。行間ににじむ被害者の悲しみ、脚色されていない事実、計り知れぬ人間の「闇」―。死刑問題を考えるための比類なき一冊。

目次

解説編(死刑にあたる罪;刑事手続概略;判決書の書式;収録の範囲;編集方針;本書の意義;法廷傍聴のすすめ)
判決編

著者等紹介

井上薫[イノウエカオル]
1954(昭和29)年、東京都生まれ。東京大学理学部化学科卒、同修士課程修了。民間企業勤務ののち、司法試験に合格、’86年、判事補任官。’96(平成8)年判事任官
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

クライン

6
「被告人の置かれた境遇を考慮しても、なお被告人の罪責は誠に重大であり、原判決の維持した第一審判決の死刑の科刑はやむをえないものとして、当裁判所もこれを是認せざるを得ない」。再読。43の事件を扱った本書の其々のケースの最後は、全てこのような判決文で締め括られている。何の虚飾も推測も混じらない、判決書だけを礎にした死刑の理由だけを淡々と連ねている。有名な山荘を舞台にした事件や少年犯罪の扱いの基礎となった事件など、極刑も已む無しと思える残虐な犯行の結果であり、彼らはもうこの世にはいない。2015/09/22

ひでゆき

2
ただただ死刑の(判決)理由が記録されてる本。正直用語や言い回しが難しくて飛ばし飛ばしで読みました。ものすごく冷たい気分になります。2016/11/20

ゲンゲン

1
008.事件35は連合赤軍による一連の事件についての判決文で、事件の詳細が淡々と述べられ背筋が凍る様な恐ろしさを感じた。その一方で全体を通して感じたことは、判決文であっても、所々に被告人に対して随分とエモーショナルな表現があり、そこは無機質な文脈ではなくある意味人間的な感覚が読み取れ興味深く感じた。 こういった組織で犯した犯罪は別としてほとんどが個人で起こした事件で、非常に短絡的で先のことを全く考えずに犯行に及んでいることがよくわかる。そんな事件の被害者はことごとくやりきれない気持ちになるだろう。2019/01/24

Rusty

1
控訴審や上告審になっていくほど判決文が短くなっていくのはなぜ?そして第一審判決を棄却する場合の理由が、判決文を読むだけでは判然としない。2016/12/28

タンバリン

1
死刑裁判記録が並ぶこの著書。ただ羅列された記録なのに、ある意味、多くの死刑存廃論よりも迫力があります。佐木さんの跋文「『今後、死刑について発言する方は、少なくとも本書の内容程度は頭に入れておいていただきたいと願っています』」という言葉にすべてが収束されています。死刑のことを何も知らない、または知ろうとしない私たちの姿勢を批判されているようで、思わず自戒してしまいます。2011/06/14

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