出版社内容情報
これまで自然環境保全と生物多様性の維持は、自然環境に恵まれた農山漁村や周辺地域に任され、都市は農山漁村が生み出す生態系サービスの恩恵を受けて豊かな経済と社会を維持してきた。しかし現在、農山漁村は過疎化や高齢化、地域社会の衰退がみられ、都市は緑地の公共空間不足や市街地の衰退などの問題を抱え、それぞれの役割分担は限界に達している。このような状況は、もはや農山漁村だけ、都市だけで解決していくことは不可能で、地域を超えて互いの問題を連動して解決していかなければならなくなっている。
そこで、このような問題を解決するための新たな概念「生物多様性+文化多様性=生物文化多様性(Biocultural diversity)」という、自然と文化の融合を基本とした環境の捉え方を解説。この概念のもと、地域社会の組織づくりやしくみの構築など、地域の資源を活かして地域再生や地域創生を効果的に行う方法を紹介、解説する。今回は新しい概念を理解してもらえるよう導入部分にマンガを掲載。
内容説明
生物多様性や生態系なしに日本文化は語れない。
目次
第1章 生物文化多様性って何だろう
第2章 生態系と生物文化多様性
第3章 生物文化多様性と現代社会―生態系と文化の相互作用
第4章 農村と生物文化多様性
第5章 都市と生物文化多様性
第6章 都市生態系と生物文化多様性―都市と生態系の融合
第7章 自然保護地域と生物文化多様性
第8章 観光・交流と生物文化多様性
第9章 生物文化多様性を活かす政策
第10章 新しい自然観の提案―生物文化多様性の可能性
著者等紹介
敷田麻実[シキダアサミ]
博士(学術)。金沢大学大学院社会環境科学研究科博士課程修了。現在、北陸先端科学技術大学院大学教授
湯本貴和[ユモトタカカズ]
理学博士。京都大学大学院理学研究科植物学専攻博士課程修了。現在、京都大学霊長類研究所教授・所長
森重昌之[モリシゲマサユキ]
博士(観光学)。北海道大学大学院国際広報メディア・観光学院観光創造専攻博士後期課程修了。現在、阪南大学国際観光学部教授
ドウノヨシノブ[ドウノヨシノブ]
京都精華大学美術学部デザイン学科卒業。現在、京都精華大学マンガ学部講師、一般社団法人なないろめがね代表理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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