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内容説明
圧倒的な識別能力をもつDNA鑑定に魅せられて、戦没者の遺骨から自身の排泄物まで、あらゆるものを鑑定してきた著者がやさしく解き明かす、現代人が知っておくべき「教養」としてのDNA鑑定。それは時空を超えて生命の神秘を知る「扉」でもある。難事件・珍事件の解決録、縄文人誕生をめぐる「新説」、新種発見物語、ドラマではわからない科捜研の実情などを読むうちに、DNA鑑定の「通」になれる本。
目次
第1章 DNA鑑定「前夜」
第2章 なさねばならぬDNA鑑定
第3章 少しだけ学ぶDNA鑑定の原理
第4章 世にDNA鑑定の種は尽くまじ
第5章 DNA鑑定が明かす日本人の起源
第6章 DNA鑑定で迫る生物の謎
第7章 犯罪捜査とDNA鑑定
著者等紹介
梅津和夫[ウメツカズオ]
1949年、山形県生まれ。山形大学農学部卒業。同大学大学院農学研究科修士課程修了。山形大学医学部法医学講座助手、同学部助教授などを経て、山形大学医学部法医学教室客員准教授。医学博士。日本DNA多型学会、日本法医学会、日本人類学会などの会員。2004年度より、厚生労働省が進める戦没者遺骨収集事業に参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ローレンツ🐾
29
DNAの基礎ではなく、DNA鑑定の基礎をわかりやすく書いている。なので、DNAの基礎がわからないままだとちょっと難解に感じる方がいるかも?本書を読んで「ミトコンドリアDNA」にとても興味が湧いた。著者本人が本書中でも書かれていたが著者はなかなかの天邪鬼。著者の主観と思いの吐露多し。2022/09/08
ゲオルギオ・ハーン
28
現場でも活躍する法医学者の著者によるDNA鑑定の概説書。鑑定の難しさはまず採取と鑑定場所までどのように運んだかにも関連してくる。極端に言えば鑑定場所のそばで採取し、鑑定すれば楽だが実際は遠方からいろいろな人が関係し、さまざまな輸送方法で運ばれる。そうなると他のDNAが混入(これがDNA汚染)し、確認作業がとても困難になる。関係者などのDNAも調べて本来調べるべきものを特定するところから始まる。そのうえ、日本では鑑定キットも指定(ABI社製判定キット)があるなど意外な制約もあってイメージが変わった。2023/12/21
うぃっくす
7
入門の入門という感じで読んでて楽しかった。すぐに汚染されたり違うものが混ざったりすごく神経使う繊細な分野なのね。DNA鑑定が万能な訳ではないけどやっぱすごいよなーというのが率直な感想。今ってもう偽装できないね。素直に生きよう。シベリア抑留者や東日本大震災の遺骨鑑定のあたり読んでて涙がでてしまったわ。2021/10/10
Hiroshi
6
生命を持たない物質が有機的に結合して複製可能な細胞となることで生命が誕生した。その生命は長い時間をかけて進化を遂げ現在の様に地球上に多様な生物が共存するに至った。奇跡の様な生命の設計図と時間の経過による変化の行程はたった1個の細胞にも書き込まれている。それがDNAだ。30年前のヒトゲノム計画では、30億ドルの予算と13年の時間をかけてヒトゲノムの31億基を解読した。今日では10万円と数ヶ月でできる。だがDNA鑑定は31億塩基を解読するのではない。無数にある多型(個体差)の中から幾つか選んで検査するだけだ。2021/11/29
中島直人
5
(図書館)DNA鑑定の変遷が、著者の経験談に即して語られる。一般人でも十分に理解出来る平易な語り口により、DNA鑑定の進化が一通りの流れとして把握できる。2022/12/28