- ホーム
- > 和書
- > 新書・選書
- > 教養
- > 講談社ブルーバックス
出版社内容情報
化学の本質は電子にあり! 量子力学に支配された電子が、分子の形を決め、色を生み出し、化学反応を引き起こす。
内容説明
化学反応のすべての鍵を握るのは、分子の中にある電子。量子力学によって電子の状態を求める「分子軌道法」の考え方を、自分のパソコンで計算しながら理解できる、量子化学の最良の入門書。
目次
第1章 原子の成り立ち
第2章 原子から分子へ
第3章 分子軌道法から求められるもの
第4章 分子の構造を知る
第5章 電子の分布が分子の性質を決める
第6章 分子の色を知る
第7章 化学反応を予測する
第8章 半経験的分子軌道法計算プログラムを使った計算の実際
著者等紹介
平山令明[ヒラヤマノリアキ]
1948年、茨城県生まれ。1974年、東京工業大学大学院修了。ロンドン大学博士研究員、協和醗酵工業(株)東京研究所主任研究員、東海大学開発工学部教授、東海大学医学部教授、東海大学糖鎖科学研究所教授を経て、2016年より東海大学先進生命科学研究所教授。理学博士。現在のおもな研究課題は、コンピュータ科学を駆使した、より効果的で、より安全な医薬品の開発(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
LUNE MER
11
高校までの化学は暗記科目のイメージが強いと感じており、その理由は物理に比べるとこれはこれ、それはそれ感が多い気がするから。でも実際はそんなことはなく、本書で説明されている量子化学の視点に立てば広い範囲のことが統一的に説明可能になるわけで。とはいえ、これを高校の内容に取り入れたとしても難しすぎるわけで…。化学は好きなんだけど教科書だと説明が中途半端でその先こそ知りたい!という意欲的な高校生に是非とも薦めたい一冊。大学ではこういうことを勉強出来るんだぜ?✨という先輩からのメッセージの意も込めて。2024/03/08
朝ですよね
4
各論の部分は流し読み。三次元方向に広がる電子の分布確率が分子を作るという直観的な理解を提示する。2023/10/21
revelation
3
物理は得意だったけど化学は苦手だったのは、なぜこうなるのかという説明をすっ飛ばして現象のバリエーションだけを詰め込まれたので、理系の科目なのにほとんど暗記モノじゃあないかという反発があったからだろうけど、いつまでもこのままじゃあいけないと思い読んでみたらビンゴ。分子軌道法最高!2020/01/28
ちぃ
2
ハミルトニアンは確率密度関数としても記述できる。分子や電子の振る舞いがいわば確率密度関数から計算できる。これらが分子軌道法が重要となる理由でもある。2021/03/17
aoyami
1
化学どころか理科で止まっている人間ですが、最初から順を追って、紙にまとめながら読み進めれば理解できました。文中にもある通り、化学とは当たり前の事実の積み重ねなのだということを体験できたと思います。内容を完全に理解できたとは言い難いけれど、量子力学とはなんなのかは理解できたのと、分子軌道法の素晴らしさは味わえたこと、一番の興味であった色の認識のメカニズムを知ることができたので良しとして、これを足がかりにまた少しずつ科学分野の本を読めたらと思います。2020/10/16