出版社内容情報
『生物と無生物のあいだ』から9年、新たなる科学スミステリーの傑作が誕生した。成毛眞氏が絶賛した「ウイルスを巡る不思議な物語」新型インフルエンザやエイズなど、人類を脅かす感染症を伝播する存在として、忌み嫌われるウイルスだが、自然界には宿主に無害なウイルスも多い。それどころか、宿主のために献身的に尽くすけなげなウイルスたちも多い。実は、私たちのDNAの中には、ウイルスのような遺伝子配列が多数存在し、生物進化に重大な貢献をしてきたことが近年の研究でわかってきた。ウイルスは私たちの中に、生きていたのだ!
成毛眞氏 絶賛!
生命科学というパンドラの匣の中には、
ぎっしりとウイルスが詰まっていた。
果たしてかれらは生命なのか?
人間は幾多の謎を解明できるのか?
生命というミステリーの幕が開いた!
まえがき
序 章 「モンスター」の憂い
一九一八年の「モンスター」
七十二歳の情熱
モンスターの正体とオーストラリアのウサギ
第1章 生命を持った感染性の液体
マルティヌス・ベイエリンク─枠を突き抜けた純度を持つ男
生命を持った感染性の液体
結晶化する「生命体?」
第2章 丸刈りのパラドクス
丸刈りのパラドクス
細胞とウイルス
ウイルスの基本的な構造
ウイルスのゲノム核酸
ウイルスの境界領域その1─転移因子
ウイルスの境界領域その2─キャプシドを持たないウイルス
第3章 宿主と共生するウイルスたち
エイリアン
ポリドナウイルス
不思議に満ちたポリドナウイルスの起源
聖アントニウスの火
第4章 伽藍とバザール
伽藍とバザール
胎盤形成
V(D)J再構成
遺伝子制御モジュール
空飛び、海泳ぐ遺伝子
遺伝子を運ぶ「オルガネラ」?
第5章 ウイルスから生命を考える
手足のイドラ
「移ろいゆく現象」としての生命
ウイルスと代謝
生命の鼓動
終章 新しいウイルス観と生命の輪
開かれた「パンドラ」の箱
生物に限りなく近い巨大ウイルスたち
そして生命の輪
中屋敷 均[ナカヤシキ ヒトシ]
著・文・その他
内容説明
我々はすでにウイルスと一体化しており、ウイルスがいなければ、我々はヒトではない。それでは我々ヒトとは、一体、何者なのか?生命科学というパンドラの匣の中には、ぎっしりとウイルスが詰まっていた。果たしてかれらは生命なのか?人間は幾多の謎を解明できるのか?生命というミステリーの幕が開いた!『生物と無生物のあいだ』から9年、新たなる科学ミステリーの傑作が誕生!
目次
序章 「モンスター」の憂い
第1章 生命を持った感染性の液体
第2章 丸刈りのパラドクス
第3章 宿主と共生するウイルスたち
第4章 伽藍とバザール
第5章 ウイルスから生命を考える
終章 新しいウイルス観と生命の輪
著者等紹介
中屋敷均[ナカヤシキヒトシ]
1964年、福岡県生まれ。1987年京都大学農学部農林生物学科卒業。博士(農学)。現在、神戸大学大学院農学研究科教授(細胞機能構造学)。専門分野は、植物や糸状菌を材料にした染色体外因子(ウイルスやトランスポゾン)の研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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