内容説明
残留農薬野菜、毒入りギョーザ、メラミン混入粉ミルク―。中国から日本に続々輸入される「汚染食品」。国際事件の背景には、中国農業の崩壊という厳しくも悲惨な現実があった!すなわちそれは、日本人の「食」の崩壊を意味するのだ!日本が飢餓列島から脱する道は、どこにあるのか。
目次
序章 農場から農民が消えていく―中国農業の崩壊が日本を飢餓列島へと導く
第1章 竜頭企業の支配が始まった―農地から追い立てられる農民たち
第2章 土を愛せない農民たち―人糞肥料と農薬、そして貧困
第3章 土も水も死んでいる―人間と農産物を死に至らしめる環境破壊
第4章 中国国家VS.中国農民―石と棍棒を手に立ち上がる農民たち
第5章 中国農業崩壊と日本への波及―食料危機から食料危篤へ
終章 日本人に残された道―農地法改革と「おふくろの味」の復権
著者等紹介
高橋五郎[タカハシゴロウ]
1948年新潟県生まれ。愛知大学法経学部卒、千葉大学大学院博士課程修了。愛知大学国際中国学研究センター所長、同大現代中国学部教授。専門は中国農村経済学、国際社会調査学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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James Hayashi
26
09年著。愛知大現代中国学部教授他、専門は中国農村経済学。日本に住んでいないこともあるが、日本がそれほど多くの農産物を中国に頼っていたとは知らなかった。中国の水不足、汚染に留まらず、疲弊した土地と、土地に愛着を持たない農民(土地は国に属する為)。故に牛乳にメラミンを混ぜたり過多な化学肥料を与えたり。人糞も未だ使用されているという。国土は日本の26倍あるが1戸当たりの平均耕地面積は日本の農家の3分の1程度。13億の国民と海外への輸出。耕作可能地は限られており、不作の時が来れば中国一国のダメージで済まない。→2018/06/13
Hiroyuki Nakajima
2
中国農業の問題点がわかり易く記述されていて勉強になりましました2015/12/27
ぐうたらパンダ
2
タイトルは煽り気味で、取り上げている例も極端なものが多く、農薬の検査に関してなどやや勘違いも見られるが、中国農家の実態から政策までわかりやすく解説されている。どこの国でも農業は難しい問題なのだと改めて実感した。2012/07/22
miharasi_mamiya
1
中国の農村の状況を分析。急激な経済発展と国の政策で現れた新興企業がいっそう農民の状況を悪化させている。複雑な問題。日本の農業の問題点の指摘も。2016/03/28
koba23
1
ちょっと昔の本だが、大枠としては状況は今と変わらないのではないか?国内ではようやく農協の改革が始まるかもしれないが、のんびりしてる時間はないような気がする。著者は、中国農業の問題は、食糧を大きく依存している日本の問題でもある、と語っているが、正にその通り。戦争ができるようにばかり考えている政権は、「兵糧攻め」されることは想定していないのだろうか?2014/07/05