出版社内容情報
歴史家・網野善彦と哲学者・鶴見俊輔が、それぞれの半生を重ねながら日本の歴史を問い直す。我々はいつから「日本人」なのか。教科書と違う視点に立ったとき、新たな「日本」の姿が見えてくる。異端な2人の、たった一度の対談を文庫化。
内容説明
歴史家・網野善彦と哲学者・鶴見俊輔が「日本」と「日本人」をめぐって縦横無尽に語り合う。「百姓」とは誰をさすのか。「天皇制」をどう読むか。知識人が作り上げた日本史からこぼれ落ちた視点にこそ、見逃せないこの国の未来がある。ここでしか読めない二人の貴重な対談。
目次
1 歴史を多元的にみる(国民の生活から離れる知識人たち;「烏合の衆」が秘める思想的な強さ;わからない問題がたくさんある;「お前は何民族だ?」と聞かれたら;ずっと秀才だった人間の思い込み ほか)
2 歴史を読みなおす(「意味の重層性」を欠く日本の学術語;歴史的変化の中で揺れる文字の面白さ;山中共古と『東京人類学雑誌』;いま崩れようとしている「百姓は農民」像;襖の下張りに潜んでいる事実 ほか)
著者等紹介
網野善彦[アミノヨシヒコ]
1928年山梨県生まれ。歴史家。専門は日本中世史、日本海民史。東京大学文学部卒業。都立高校教諭を経て名古屋大学、神奈川大学で教鞭をとる。89年、『瓜と龍蛇』で毎日出版文化賞受賞。2004年2月逝去
鶴見俊輔[ツルミシュンスケ]
1922年東京都生まれ。哲学者。15歳で渡米し、ハーバード大学哲学科卒業。1942年捕虜交換船で帰国。1946年『思想の科学』創刊に参加。京都大学、東京工業大学、同志社大学で教鞭をとる。82年に『戦時期日本の精神史』で大佛次郎賞受賞、94年度朝日賞受賞。2015年7月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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