内容説明
権力との癒着など、マスコミへの批判が高まっているいま、ジャーナリストの役割が改めて問われている。情報があふれるなか、「真実」をどうつかむか。誰の視点に立って、何を伝えるか。業界紙や週刊誌の記者を経て、フリージャーナリストとして活躍する著者が、自らの体験を振り返りながら、ジャーナリズムの意義やメディアのゆくえを考える。
目次
1 ジャーナリストって何だろう?
2 取材のイロハ―新聞の世界に飛び込んで
3 「なんでも取材してやろう」―週刊誌記者の世界へ
4 誰の視点に立つか―フリーであることの意味
5 価値判断が問われる―留学と『機会不平等』をめぐって
6 岐路に立つジャーナリズム
著者等紹介
斎藤貴男[サイトウタカオ]
1958年東京都生まれ。ジャーナリスト。早稲田大学商学部卒業。英国バーミンガム大学大学院修了(国際学MA)。『日本工業新聞』記者、『週刊文春』記者などを経て独立。2012年、『「東京電力」研究排除の系譜』(講談社、現在は角川文庫)で、第3回「いける本」大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ブルーツ・リー
6
内容としては、左派の人がよく言いそうな事なので、大人である自分にとっては、特に目新しい事は、余り感じられなかった。 思想は、右でも左でもいい訳だが、それよりも、気になったのは、著者の、生き方。 なんだか、仕事を始めても、毎回毎回、1年2年で辞めまくる。 仕事に行き詰って、他の会社に拾ってもらって、恩がある会社ですら、他の会社から声がかかったら、寝返る。 これでよく、人心が付いて来たと思う。 左派として、世の中を批判する訳だから、自らを正さなくてはいけない。 批判する身だからこそ、自らには、特に、厳しく。2022/07/03
フム
6
図書館の児童書の新刊コーナーで目にして借りた。若い人向けに、ジャーナリストの仕事はどんなものか、なぜ必要か、ジャーナリズムとは何かを話すという趣旨の本。前半は柔らかな語り口で、筆者の記者としての経験が具体的なエピソードを交えて語られていた。それが後半に向かうに連れて、昨今のジャーナリズムの危機的な状況に話が及ぶ。権力の監視者であるはずのジャーナリズムが権力にすり寄っていく現状への危機感。それはそのまま民主主義の危機につながっていく。児童書のコーナーだけに置くのではもったいない本。2016/03/10
どら猫さとっち
6
ジャーナリストとして活躍中の著者による、これまでの取材や、ジャーナリズムの在り方を、若い世代に向けて語った一冊。これはメイキング・オブ・斎藤貴男の趣があって、彼自身の人生を交えている。現在ジャーナリズムは、大きく揺らぎを見せて、肝心な情報さえ届かないという非常事態にまで至ろうとしている。斎藤さんには、これからのジャーナリズムの大きな指針であって欲しい。この国のメディアを正して救うために。2016/02/10
すがの
3
ベテランのジャーナリストが、若い人たちに向けてジャーナリストいう仕事を説く。自分の半生を振り返ることに多くの紙幅が割かれており、自伝的な要素も強い。しかし、本書の全体を通底するのは現在の状況に対する「危機感」であり、そうしたアクチュアルな「危機感」を追求する仕事こそがジャーナリズムというものなのであろう。/著書が産経系列の新聞社、文春の記者という経歴を持っていたことにはやや驚いた。2016/02/03
たかぴ
2
ジャーナリズムの定義が其方なのでやはり。こういう考えも社会にあるから生活しやすくなった面もあるんだろうけど、今の自分の方針と距離があるので読み難かった。2022/11/19