内容説明
クモの糸はほんとうに強いのだろうか?クモとクモの糸に注目しつづけてきた著者が、やがてその強さを証明するため、クモとじっくりつきあい、気分よく糸を出してもらいながら、「クモの糸にぶら下がる」という30年来の夢をついに実現。クモの糸の不思議なしくみと、観察することの楽しさをユーモラスに語ります。
目次
1 クモの糸にぶら下がれるか(『蜘蛛の糸』の世界;クモをどうやって捕まえるか ほか)
2 人がクモの糸にぶら下がるまで(学会発表を決める;ぶら下がるための準備 ほか)
3 クモとつきあう(クモの生活様式;造網性のクモと徘徊性のクモ ほか)
4 クモの糸の不思議なしくみ(クモの糸の性質;遺伝子工学によってクモの糸を作る ほか)
著者等紹介
大崎茂芳[オオサキシゲヨシ]
1946年兵庫県生まれ。大阪大学理学部高分子学科卒業、同大学院理学研究科博士課程修了。島根大学教授を経て、奈良県立医科大学医学部教授。理学博士、農学博士。専門は、生体高分子学、高分子物理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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AU.Step
4
実際に蜘蛛の糸にぶら下がる、という夢を真面目に追いかけた筆者。前半ではその過程での様々な出来事をグチやボヤキを交えつつユーモラスに語る。糸を採取する学生が上手く採取出来ないと「蜘蛛の気持ちが分かってない」とか(笑)後半では蜘蛛の糸の研究から導かれた法則などを紹介。2019/07/30
i
3
MARVELのヒーローの中で一番好きなのはスパイダーマン。映画「スパイダーマン ホームカミング」を見てクモの糸に興味が湧いたのがきっかけに読んでみた。知っているようで知らないクモの生態が知れた。そもそもクモには、徘徊性と造網性の二種類があるらしい。家で見かけるハエトリグモは徘徊性のクモ。スパイダーマンは造網性のクモだ。この本では、芥川龍之介の「蜘蛛の糸」のように「人はクモの糸にぶら下がることはできるのか?」という疑問からクモの糸の秘密を解明していく。クモの糸にぶら下がりたい!という作者の夢に心惹かれる。2017/09/25
takao
2
ふむ2022/12/24
Tatsuya
2
高分子の研究者による、クモの糸の研究の話。芥川龍之介の『蜘蛛の糸』のように人間はクモの糸にぶらさがれるのか?という素朴な疑問から始まって、実際にクモから糸を集めてぶら下がっちゃう。非常に面白かった。何が面白いって、著者がすんごい真面目で、その真面目の方向性がクモへの愛に向かっちゃって、クモの気持ちを理解できない助手や学生を真面目にdisったり、クモを庭に飼うために家を引っ越したりするのをさも当たり前のことのように書いちゃったりするところがもう最高。来月直接お話を聞ける機会があるので超楽しみ。2015/04/23
めぐ
2
著者の探求心がすごい!失敗してもめげないというか、それに勝る好奇心が成功への鍵だなと思った。2012/12/22