内容説明
格差と疲弊が広がるなかで、市民と自治体行政がともに知恵を出し合い、魅力を発信している地域がある。好循環はいかにして創り出されたのか。地域資源の活用、有機農業、林業、商店街の活性化、学校給食・食育、都市農業、公共交通…暮らしと仕事を見直し、本当の豊かさをめざす人びとの声に、未来を切り拓くヒントを探る。
目次
第1章 開かれた地域自給のネットワーク―島根県雲南市木次町ほか
第2章 商店街は誰のものか―兵庫県相生市・三重県四日市市・東京都足立区
第3章 これがほんまの福祉です―徳島県上勝町
第4章 地産地消と学校給食―愛媛県今治市
第5章 北の大地に吹く新しい農の風―北海道標津町ほか
第6章 四万十源流発、進化する林業の現場から―高知県檮原町ほか
第7章 公共交通はやさしい―富山県富山市・高岡市
第8章 市民皆農のすすめ―東京都練馬区・神奈川県横浜市
著者等紹介
大江正章[オオエタダアキ]
1957年神奈川県生まれ。早稲田大学政経学部卒業。ジャーナリスト・編集者。現在、出版社コモンズ代表。関心領域は農・食・環境・アジア・自治など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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佐島楓
35
第一次産業の可能性を多く示している。未来につながる明るい話題でよかった。人が豊かになる産業とは何か。民間から国全体を元気にしていくしかないのだろう。2015/07/12
Mark
27
未来へのヒントがあるように思えます。地域振興は単に、都市と地方の格差という視点ではなく、そこにあるもの、人々の力の発揮が鍵なのでしょうか。これまで見えていなかった視点というものを考えさせられました。2014/11/25
さいたまのたぬき
21
どの成功例も 個人・企業・行政がうまくかみ合っている。 それも企業や行政が人間として個人と向き合っているということです。 企業や行政というのはどうしてもシステマティックになりがちですが この本の紹介例ではまだまだ日本も捨てたもんじゃない!と思えるような 心が温かくなるような地域活性化に協力しているのです。 ただここで忘れてはいけないのはそういったもの(行政や企業)を 動かすのは個人の熱意だということ。 まずはじめに個人が すべてをかけて取り組み始めたことからはじまっていることが多いのです。 2014/10/24
えも
20
先月お会いする機会のあった大江さんの本が図書館にありました。ほぼ十年前に書かれた、各地の地域づくりの事例。それがまた、手放しで賞賛している訳ではなく、そんな所に誠実さと真摯な姿勢を感じます。▼木次の酪農、相生や四日市の商店街、上勝のいろどり、今治の地産地消、北海道のクリーン農業、梼原の林業、富山の路面電車、練馬・横浜の体験農園…。やっぱり全てはキーマンなんだなあ。▼当時の成果を読んで力を与えられると同時に、「では今はどうなっているんだろう?」ということも知りたくなります。2016/05/21
いっしー
11
筆者が自らの足で取材した全国の地域再生に関する成功事例集。成功した地域には、必ずや熱いキーマンがいること、行政だけ、又は民間だけでもなく多様なセクターが混ざり合うと、思いもよらぬ化学反応を起こすことか。とりわけ、両者を繋ぐ第3セクターでもあるNPOの存在はこれからより一層重要になってくるだろう。2015/11/11