出版社内容情報
表面の3分の2を覆う海の存在ゆえに、地球は青く、美しい。その海が今、危機的な状況に直面している。海水温の上昇、海洋酸性化、プラスチックごみ、酸素の足りないデッドゾーンの広がり、漁業資源の減少がこのまま進むとどうなるか。環境問題の取材にライフワークとして取り組んできた著者が、最新の研究報告やルポを交えて伝える。
内容説明
表面の3分の2を覆う海の存在ゆえに、地球は青く、美しい。その海が今、危機的な状況に直面している。海水温の上昇、海洋酸性化、プラスチックごみ、酸素の足りないデッドゾーンの広がり、漁業資源の減少がこのまま進むとどうなるのか。環境問題の取材にライフワークとして取り組んできた著者が、最新の研究報告やルポを交えて伝える。
目次
序章 海を追いつめる人間活動
1 海の熱波の恐怖―高くなる海水温
2 酸性化する海―生態系破壊の懸念
3 海を埋め尽くすプラスチックごみ―有害物質の運び屋にも
4 広がるデッドゾーン―減り続ける海の酸素
5 細りゆく海の恵み―漁業資源の減少深刻
終章 海の価値を見直す
著者等紹介
井田徹治[イダテツジ]
1959年12月、東京生まれ。1983年、東京大学文学部卒業、共同通信社に入社。本社科学部記者、ワシントン支局特派員(科学担当)を経て、現在は編集委員、環境と開発の問題がライフワークで、多くの国際会議を取材(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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tosca
30
最初から最後まで眉間にシワを寄せながら読んだ。少子化よりも環境汚染の方が待ったなしではないのかと怒りすら覚える。温暖化による海水の高水温や海中酸素の減少、海水の酸性化。加えてプラスチックごみや乱獲などにより生態系がどれほど危機に瀕しているか。フィリピンの生き物の住めなくなった海の話やモルディブの自然発火するゴミの島の話は衝撃的だ。最後の最後に「ブルーエコノミー」というほんの少しだけ希望の持てるかもしれない話が出てきたけれど、自分に何が出来るのか、もっと真剣に考えなければ豊かな海は死んでしまう2023/03/26
更紗蝦
25
環境問題の取材をライフワークとする著者が、各地での現場取材を元に、海の環境の危機的な状況を紹介した本で、主に海の温暖化・酸性化・低酸素化問題、プラスチックごみ問題、乱獲問題を取り扱っています。ローティーンの読者にも分かりやすい文章ですが、「皆の地球を守ろう」的なふんわりした具体性のない表現はなく、人間活動と海の関わりを真正面に論じています。原発から垂れ流される放射能汚染水の問題が取り扱われていないのが意外でしたが、喫緊の問題ではないとみなされているのか、もしくは被害の実態が未知数ということなのでしょうか?2020/09/13
takao
5
☆酸性化、プラスティックごみ ☆プラスティックごみの約3割がリサイクルと焼却、残りは環境中に最終的には海へ。 2020/07/29
道楽モン
4
一貫して環境問題を報告し続けている筆者には、尊敬の念しか無い。共同通信記者の傍ら、世界中を取材して現地の実情を綴る。最初の著作が京都議定書関連で、絶滅危惧種や地球温暖化、海洋汚染など、自分都合と資本主義優先の愚かなる人類に警鐘を鳴らし続けている。本書はその最新版。読後は、読者各自が考え、自分に可能なアクションを起こす契機となる一冊だ。2022/08/30
KenYa
4
目的:自然科学に興味があったので読みました。 感想:序盤は「酸性化がヤバい、酸性化がヤバい」の繰り返しで「しつこ!」って思ったけど、p.87からの「広がるデッドゾーン」で絶句した。衛生的なトイレを使えてない人が42億人もいて、未処理のまま海に垂れ流されてるそうな… この生活排水だけでなく、農業排水に含まれる栄養分のリンや窒素が大量に流入することでバランスが狂って酸素の少ない海、「死の海域」が形成されるそう。自分にできることはより賢くなることだと思う。賢ければ色々なことに対処できるようになるから。2020/12/01