岩波科学ライブラリー<br> 結局、ウナギは食べていいのか問題

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岩波科学ライブラリー
結局、ウナギは食べていいのか問題

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  • サイズ B6判/ページ数 134p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784000296861
  • NDC分類 664.695
  • Cコード C0345

出版社内容情報

土用の丑の日、店頭はウナギの蒲焼きでにぎやかだ。でも、ウナギって絶滅危惧種だったはず……。結局のところ絶滅するの?土用の丑に食べてはいけない?気になるポイントをQ&Aで整理。野生動物ウナギと、美味しく共存する道を探る。

内容説明

土用の丑ともなれば、スーパーも牛丼店も、ウナギの蒲焼きでにぎやかだ。でも、ウナギって絶滅危惧種だったはず…。結局のところ絶滅するの?土用の丑にやたらと食べるのがダメ?どんなウナギを選べばいい?―気鋭のウナギ研究者が、ややこしいウナギ事情をQ&Aで整理。ウナギという野生動物と、美味しく共存する道を探る。

目次

1 ウナギは絶滅するのか
2 土用の丑の日とウナギ―ウナギを食べるということ
3 ウナギと違法行為―密漁・密売・密輸
4 完全養殖ですべては解決するのか
5 ウナギがすくすく育つ環境とは
6 放流すればウナギが増えるのか
7 ワシントン条約はウナギを守れるか
8 消費者にできること

著者等紹介

海部健三[カイフケンゾウ]
中央大学法学部准教授・中央大学研究開発機構ウナギ保全研究ユニット長。1973年東京都生まれ。1998年に一橋大学社会学部を卒業後、社会人生活を経て2011年に東京大学大学院農学生命科学研究科博士課程を修了し、博士(農学)の学位を取得。東京大学大学院農学生命科学研究科特任助教、中央大学法学部助教を経て、2016年より現職。専門は保全生態学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kinkin

94
ウナギを食べる食べないは最終的には個人の価値観の問題。この本はウナギの情報を最新の科学や情報をもとに書かれている。全8章。ウナギの絶滅はあるのか、養殖はできないのか、などQ&A形式でまとめられている。最近いやここ数年ウナギを食べていないことを思い出す。なかったらなかったでいいのだけれどそれでもテレビでウナギを食べているのを見ているとそそられる。今までが食べ過ぎたのだろう。これから一生のうちび一度でもウナギを食べたことがある人はレアな存在になるのだろうか。図書館本2020/03/01

ばたやん@かみがた

78
タイトルに対する答えは「ウナギを持続可能な範囲で採り続けるのならば食べて良い。」です。ただ、それは困難を極めそうです。国内的にも国際的にもその絶滅危険度が警告されているニホンウナギ。日本政府も手を拱ねいている訳ではなく中韓台の3か国との間で養殖用シラスウナギの採捕上限量に合意しています。ただ、この量たるや2015、16の実際の採捕量の倍近くありました。つまり、先に見た「持続可能な量」よりも遥かに多く事実上青天井で獲られていると言って良い。なぜこんなことが罷り通るのか?(1/3)2019/12/30

ニッポニア

47
聞き読み。なかなか読み応えありました。日本人は、うなぎという文化を食べているわけです。絶やしたくありませんね。以下メモ。結局のところ絶滅するかは不明。安い鰻を食べることは、文化を絶やすことになりかねない。鰻をめぐる違法行為が横行し、我々はそれに加担することになる。グリーンウォッシュを行う会社や組織が扱うウナギは食べない。といっても、なかなかできないだろうなあ。2023/06/24

42
要するにウナギに絡む様々な利権がその生態と相まってウナギを窮地に追い込んでいるということ。現状では正確なデータをとることすらままならないようだ。個体数の減少度を測るには漁獲量のみならず漁獲努力量(市場など社会的要因に左右される)も考慮しなければならないとしたところでまず目からウロコ。放流しても意味ないどころか逆効果まであるというのもまた目からウロコ。ちなみにウナギにもウロコはあるらしい。結構面白くて付箋貼りまくった。誰かを敵に回しても許せんものは許さんぞといった感じの熱量が読ませる文章だった。2023/06/28

ましゃ

37
ウナギの稚魚シラスウナギは高値で取引される。2018年漁期には1kgあたり約300万円。1匹を0.2gとして計算すると1匹あたり600円。密漁・密売・密輸が横行し、規制する社会システムが出来ていない。また、ウナギは海で生まれて川で成長する回遊魚なのでウナギにとっての障害物(河口堰、落差工、ダム)は自由に泳げず悪影響である。が、障害物は人にとって治水、利水のために必要なもの。本書を読んでこの問題がかなり深刻な事に気付かされた。人の命を守るため、絶滅危惧種のウナギを守るため、共存する道を考えないといけない。2019/09/23

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