内容説明
四〇代以上は三人に一人が糖尿病になる時代。自覚症状がないまま進行し、気づいた時には足の潰瘍・壊疽により、下肢切断を余儀なくされる人も少なくない。いま切断せずに画期的に潰瘍を治癒する方法がある。なんとハエのウジ虫を使う。それはいったいどんな治療なのか。なぜハエなのか。驚きの治療の実際としくみを解説する。
目次
1 ウジ虫が私たちの傷を治す
2 発見と道のり
3 日本の先駆者
4 昆虫のなかで最も進化したハエ
5 現在のマゴットセラピー
6 なぜ傷が治るのか
7 共に生きる
著者等紹介
岡田匡[オカダタダス]
1958年大阪府生まれ。奈良県立医科大学卒。奈良県立医科大学皮膚科を経て、1997年より、マミ皮フ科クリニックに勤務。2011年に一般社団法人ジャパンマゴット治療教育推進協会理事長に就任し、日本における同治療の普及活動に努める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
117
読み友さんの感想を見て図書館から借りてきました。予備知識なしに読むと本当にこのような治療法があるということで目を開かされるような感じを受けました。まるでこの治療に使われる蛆虫というのはミクロ世界のバクテリアのような活躍をしているのですね。イギリスでは保険の対象に入っているようです。よく映画などで見たのですが戦時中に南方で壊疽に罹った人にウジがたかっているのを見ると厭な感じをしたものですが、実は悪いところだけを食べていたのですね。2016/03/30
小梅
101
糖尿病と診断され書店で関連する本を数冊購入した中の一冊。 以前、映画グラディエーターの中で傷口に蛆虫がいるのを取り除こうとすると、「そのままにしておけ、その方が早く治るぞ」と言われるシーンが印象的だった。今はキンバエを医療用に無菌で育てた蛆虫(マゴット)を使っている。糖尿病繋がりで目に止まり購入したが、生物学的な分野に興味が強い私には大変面白い本でした。2016/08/04
小鈴
20
足に小さな傷ができたがとりたてて気にもかけなかった。数日後、急速に赤く晴れあがったので慌てて病院にいくと血糖値が600台もあり自分が糖尿病であることを初めて知る。糖尿病の治療をしながら腫瘍部の治療を受けた。医者にこう言われた「経過によっては足関節の切断、悪化すれば膝から下の切断の可能性もある」と。米国では下肢切断は年間7万人いる。この腫瘍部をキレイに治すのがマゴットセラピー。ウジ虫が潰瘍を食べ、細菌の感染を抑え、傷を治す速度を増す、のだという。下肢切断を免れることもあるのだ。ご一読あれ。2016/05/26
calaf
19
タイトルを見て冗談かと思ったけど、本当にあるんだ...ハエの幼虫であるウジ虫を、潰瘍の部分に閉じ込め、壊死した組織を食べてもらって治すというものらしい...それにしても不思議なものだ...2014/01/10
kubottar
15
何の予備知識もない状態で、自分の体の傷口にウジ虫がわらわらとまとわりつく、それだけで寒気がしますがこの本を読み、動画を観ると全然印象は違ってくる。傷口の悪いモノだけを食べてくれるなんていい奴らだ!2015/01/18