内容説明
シモーヌ・ヴェイユ生誕100年。ヴェイユは、裕福なユダヤ人家庭に生まれながら、カトリック思想にふれ、神秘主義的傾向を強めていった。周囲を驚かせる数々の奇矯な振舞いにも関わらず、その傑出した知性と人間性で理解者を獲得していった。食を拒むまでに自らの生き方を律する厳しい倫理的姿勢を貫き通すとともに、革命と反革命、戦争の勃発という激動の時代に、社会的抑圧に抗して自由の理想を追い求め、洞察に富む数多くの哲学的著作を残した。本書は、いまなお大きな影響を及ぼし続ける、34歳の若さで早世した異色の女性思想家の等身大の姿を描き出す第一級の評伝。巻末に「「魂とは、すなわち大いなる魂」―アランとふたりのシモーヌ」(神谷幹夫)を併載。
目次
第1部 生いたち(天才製造工場;師との出会い;師範学校)
第2部 人々とともに(闘いの年月 一九三一‐三四年;工場労働の年 一九三四‐三五年;信仰の芽生え 一九三五‐三八年 ほか)
第3部 追われ、求めて(崩壊;マルセイユ;ニューヨーク ほか)
著者等紹介
プレシックス・グレイ,フランシーヌ・デュ[プレシックスグレイ,フランシーヌデュ][Plessix Gray,Francine du]
1930年ワルシャワ生まれ。パリで幼少期を過ごした後、戦時期に米国に移住し、市民権を取得。通信社記者、雑誌編集者等を経て、作家に。コロンビア大学等で随時教鞭を執るとともに、雑誌The New Yorker等に寄稿を続ける
上野直子[ウエノナオコ]
お茶の水女子大学大学院博士課程満期退学(文学修士・お茶の水女子大学)。現在、獨協大学外国語学部英語学科教授。専門=英語圏のポストコロニアル文学・ジェンダー論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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