内容説明
TPPを米国とのFTAと考える農政ジャーナリストの著者は、最近韓米FTAが発効した韓国の動向が、今後の日本の食料安保問題等の参考になるのではという視点から、韓国での取材を行いその実態を報告する。関税撤廃に動揺しながら、農業の新たな可能性を探る一方で、韓国ではISD条項、知的財産権、自由診療制度など懸念される問題も山積みしている。サムスン経済研究所のトップへのインタビューや農業と食品産業を結合する全羅北道での大食品産業基地の試みなど隣国での食料・農業問題への取組みの紹介は、TPPに対応しなければならない日本にとって大いに参考になるのではないか。TPP問題で揺れる日本の現状を憂慮し、その問題解決のための提言をする書き下ろし。
目次
第1章 聖域論争の空しさ
第2章 韓国FTA大国への道
第3章 韓米FTAその全体像
第4章 韓国農業は壊滅するか
第5章 韓国綱渡りの農業政策
第6章 TPP後の日本農業(1)―生産調整問題
第7章 TPP後の日本農業(2)―農地問題
第8章 TPPの時代と食料安保
著者等紹介
中村靖彦[ナカムラヤスヒコ]
1935年仙台市に生まれる。1959年東北大学文学部卒業。NHKに入り、教育局農事部などを経て、解説委員になり、農業・食料問題の分野を担当。米価審議会委員などを歴任。現在、東京農業大学・女子栄養大学客員教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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