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内容説明
日本中世史のみならず、広く日本史研究全般にわたって清新な風を吹き込んだ網野善彦。その独自の学問の形成過程、とりわけ「海からの視点」と「非農業民」への着目において大きな示唆を与えたのが日本常民文化研究所である。かつての同僚や次世代の研究者22人が、網野の研究の軌跡とその継承・発展の可能性を縦横に論じる。
目次
第1章 戦後歴史学と網野善彦(二つの太良荘―戦後歴史学への自己批判;網野・安良城論争をめぐって;近世史から見た網野善彦の業績)
第2章 海への開眼―日本常民文化研究所月島分室での活動(網野さんの原点の、さらなるルーツ(月島分室の調査活動から1)
月島分室の回想断片(月島分室の調査活動から2)
網野の軌跡、その成果と残されている課題(月島分室の調査活動から3)
網野君は何を遺したか―網野君と私(月島分室の調査活動から4)
網野善彦と日本常民文化研究所―マルクス主義から“常民”主義へ
古文書探訪の記録―月島分室時代の網野善彦の足跡)
第3章 非農業民の位置づけ―神奈川大学常民研での調査活動(時国家調査で得たもの;百姓は農民ではない―百姓・非農業民・常民文化研究所;海民という概念;「海民的」企業家・時国左門の秘められた北方交易―幕末、時国家の廻船交易の再検討;列島史における「企業家」群像―網野善彦「無縁」論・「百姓」論の先へ;「古文書返却の旅」を受け継ぐ)
第4章 諸学との交流と葛藤(考古学からみた網野善彦;網野善彦と民俗学;虹の彼方の網野善彦―文化人類学の立場から;建築史の立場から)
第5章 資料学への途(「歴史民俗資料学」の提唱;「資料学」という場;非文字資料と網野善彦;翻訳から見た網野善彦の方法論)