内容説明
いま、アカデミズムの狭いディシプリンに閉じ篭もることなく、多様な叡智と技能、経験を使う新しい学知が生まれつつある。それは研究者や専門家のみならず、公共部門や市民、NPOなどが協働し知識生産と社会実践をむすぶ「新しい野の学問」である。フィールドワーカーとして現実と向き合いながら、学知のあり方を問い直す。
目次
第1部 実践としての学問の試み―私が闘牛を始めた理由(フィールドに「入る」;地震に襲われたフィールド;転回する研究者のポジショナリティ;実践におけるポリティクス―震災後の「大文字の学知」;寄り添う「学知」―生活者のなかへ)
第2部 学問のあり方を問い直す(「野の学問」の誕生とその衰退;分断された知識生産の担い手たち;「公共」に開かれていく学問;アカデミズムと社会実践の闘争史―アメリカにおける公共民俗学;知の囲い込みからの脱却―モード2び知識生産の様式)
第3部 「新しい野の学問」の可能性と課題(「新しい野の学問」時代の到来;「新しい野の学問」に対応する研究者;これからの学問の挑戦―「新しい野の学問」との交わり方)
著者等紹介
菅豊[スガユタカ]
1963年生。民俗学。東京大学東洋文化研究所教授。博士(文学)。筑波大学大学院博士課程歴史・人類学研究科中退、国立歴史民俗博物館民俗研究部助手、北海道大学文学部助教授、東京大学東洋文化研究所准教授を経て現職。中央民族大学民族学與社会学学院客員教授・復旦大学芸術人類学與民間文学研究中心特別招聘研究員・山東大学文化遺産研究院流動崗教授(中国)、ハーバード大学イェンチン研究所ビジティング・スカラー(米国)などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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