刀水歴史全書
モンゴルの歴史―遊牧民の誕生からモンゴル国まで

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  • サイズ B6判/ページ数 295p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784887082441
  • NDC分類 222.6
  • Cコード C1323

出版社内容情報

モンゴルの名前が唐の史書に登場するのは7世紀、その後500年を経てチンギス・ハーンによるモンゴル帝国の建国そして分裂、元朝創始者5代、フビライ・ハーンの活躍、清朝と帝政ロシアの支配下での分割。日本が関わった20世紀の民族運動、第二次大戦後のモンゴル人民共和国、89年に始まる民主化までをつづる...。
...その歴史は壮大なパノラマを概観するよう。本書の価値はそれだけでなく、「モンゴルの民族運動と日本」「戦後のモンゴル」と、それぞれ1章を設けて、日本人とのかかわりを取り上げていること。見晴るかす草原に思いをはす日本人は「世界で一番モンゴルを理解し、好きな国民だ」と、著者は述べている(「公明新聞」書評より)。

『史潮』53号(歴史学会の機関紙、2003年5月号)に12ページに亘る書評が載りました。以下に抜粋します。
...モンゴル人のためのモンゴル史が書けるであろうこの著者によって、まず日本の読者のための一冊がまとめられたのは喜ばしいことと思う。
...読み手への配慮の一例として、もともと学術論文における表記などにおいても親切な著者ならでは、付された多くの系図相互間の接続関係が明示されている。関係人物の血筋の理解が必要不可欠なこの分野の著作として模範的である。さらに地図の充実がある。各時代について、それぞれ精確な考証により作成された歴史地図が示されている。これらは一般読者の理解に資すというばかりでなく、今後この分野の研究を志す後進にとってスタンダードとして依拠することができる、その水準の高さは特筆に価する。
『刀水』7号(「モンゴルとは何か?」)をご希望の方は書店様にてご注文か直接小社へご注文ください

内容説明

中央ユーラシア草原に遊牧騎馬民が誕生(BC1000年前後)して以来、2001年の現代モンゴル国までを通観する世界初の通史。

目次

第1章 遊牧騎馬民の誕生
第2章 モンゴルの登場
第3章 チンギス・ハーンの祖先たち
第4章 チンギス・ハーンの統一
第5章 モンゴル帝国のしくみ
第6章 モンゴル帝国の後裔たち
第7章 新たなモンゴル民族の形成
第8章 ロシアと清朝の台頭
第9章 最後の遊牧帝国ジューンガル
第10章 モンゴルの民族運動と日本
第11章 戦後のモンゴル

著者等紹介

宮脇淳子[ミヤワキジュンコ]
1952年和歌山県に生まれる。本名、岡田淳子。1976年京都大学文学部史学科(東洋史専攻)卒業。1982年大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学。1983~96年東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所共同研究員。1993~2001年(株)国際関係基礎研究所主任研究員。現在、東京外国語大学・常磐大学非常勤講師
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ユビヲクワエルナマケモノ

4
現代のモンゴル国に至るまでの、東は大興安嶺から西はヴォルガ河畔に至る広大な地域を舞台とした通史と言うべき本。これだけの空間を古代から通観し、現ロシア連邦を構成するトゥヴァやブリヤートの成立まで読める本はなかなか無く、世界史の非常に良い参考書。元朝以後、モンゴル族はどこへ、どうなったか知りたい方に特にお勧め。教科書だと断片的でぼやけた記述になりがちな遊牧民の各部族も、歯切れよくかつ一貫した説明で流れがつかみやすい。むしろ歯切れが良過ぎて大丈夫かと思う所も(笑)(匈奴=フン説の肯定等。そうだろうとは思うが)。2022/05/03

しいかあ

2
蒼き狼は誤訳だったのか…。ジェブツンダンバ八世のチベット人でありながらチンギスハーンの子孫の転生者というウルトラCな論理でチンギス統原理をのりこえてハーンになるという超展開に笑った。とはいえ、そうした独立運動の結果として、衛星国家とはいえ、戦後のモンゴルがソ連や中国とは別の国として存在できたことはモンゴル人にとっては幸せなことだったのだろう。ウクライナやチベットの状況を鑑みると特にそう思う。それにしても、ロシアというのはヴァイキングが作ってモンゴルが育てたようなもんなんだな。2014/09/10

Tmont

2
モンゴルは世界史を創ったとはいうが実際、元朝滅亡以後の世界史に対し殆ど影響皆無の如く扱われる。一代王の遠征が世界文明を根本から変革したとされるマケドニアと大きく違う(アレクサンドロスは過大評価の典型と思う)。一重にタタールは蛮族という通念のなす業か。資料の少なさを差し引いても元朝滅亡後のモンゴル史はスルー対象だが、蒙古帝国後継政権が各地に存続しチンギスの正統が如何な権威をもったか。本書は数少ない蒙古帝国以前以後のモンゴル通史を扱った本。終盤の日本との関係も注目。民族主義的色眼鏡のない著者にも好印象を懐く。2012/12/30

しちこ

1
遊牧民、モンゴルの歴史を全然知らないと気づき、手に取ってみたが読みやすかった。中国やロシアのみならず、日本やヨーロッパにも多大な影響を与えていたとこの本を読んで初めて知った。2013/08/31

わたぼう

0
★8/102018/02/25

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