食品シリーズ<br> 機能性糖質素材の開発と食品への応用

個数:
電子版価格
¥7,480
  • 電書あり

食品シリーズ
機能性糖質素材の開発と食品への応用

  • 出版社からのお取り寄せとなります。
    入荷までにおよそ1~3週間程度かかります。
    ※商品によっては、品切れ等で入手できない場合がございます。
  • 出荷予定日とご注意事項
    ※上記を必ずご確認ください

    【出荷までの期間】
    ■通常、およそ1~3週間程度

    【ご注意事項】 ※必ずお読みください
    ◆上記期間よりも日数がかかる場合がございます。
    ◆お届け日のご指定は承っておりません。
    ◆品切れ・絶版等により入手できない場合がございます。
    ◆品切れ・絶版等の確認に2週間以上かかる場合がございます。
    ◆「帯」はお付けできない場合がございます。
    ◆画像の表紙や帯等は実物とは異なる場合があります。
    ◆特に表記のない限り特典はありません。
    ◆別冊解答などの付属品はお付けできない場合がございます。
  • 店舗受取サービスはご利用いただけません。

  • サイズ B5判/ページ数 447p/高さ 27cm
  • 商品コード 9784882315186
  • NDC分類 588.1
  • Cコード C3047

出版社内容情報

★食品分野で活躍する高度な機能をもつ糖質素材“機能性糖質素材”の開発と応用に焦点を当て,食品メーカー・大学・各研究機関の第一線の専門家による詳細な解説を掲載しています。
★各素材の物性,製造法,生理活性,作用機序,研究開発状況,実用化状況,食品分野における展望を掲載。食品素材研究者,商品開発担当者をはじめ,食品開発に関連する専門家におすすめの書籍です。



--------------------------------------------------------------------------------

 近年の消費者の健康志向,健康への関心は非常に高く,それは特定保健用食品市場の順調な拡大からも容易にうかがい知ることができる。それと同時に,わが国では,糖尿病患者の増加や若年化に代表されるように,生活習慣病が深刻な社会問題となりつつあり,健康維持・増進効果をもつ食品開発への期待は非常に大きなものとなっている。このような要請に応えるべく,食品メーカーをはじめ,大学や各研究機関などは盛んに研究を行っている。
 本書で取り上げている食品分野における糖類に関する研究は極めて活発であり,まさしく日進月歩の様相を呈している。新しい機能をもつ素材の探索と開発や,従来利用されてきた素材に対し新規の機能を見出し新たな利用方法を検討するなど,次々と新しい知見が報告されている。この分野の研究開発が,とくにわが国の研究者により推進されていることは着目してよい。本書では,それら食品分野で活躍する機能性の糖質“機能性糖質素材”に焦点を当て,その物性,製造方法,生理活性,作用機序,食品への応用,食品分野における問題点と課題さらに展望を第一線の研究者にまとめていただいた。
 本書が商品開発担当者や食品の機能性研究者など食品研究に従事する多くの方々に活用され,その研究開発の一助となることを願っている。最後に,ご多忙の中,快く執筆していただいた著者の皆様に心より感謝申し上げる。 
 2005年8月 井上國世


--------------------------------------------------------------------------------

井上國世 京都大学 大学院農学研究科 食品生物科学専攻 教授
春見隆文 日本大学 生物資源科学部 農芸化学科 教授
山元英樹 ユニチカ(株) 中央研究所 グループ長
鈍宝宗彦 ユニチカ(株) 中央研究所 プロジェクトリーダー;理事
井上健夫 三栄源エフ・エフ・アイ(株) HIS部長
林田幸吉 田辺製薬(株) ファインケミカル事業部 東京営業課 マネージャー
草山泰和 ?泣Tービステックジャパン 取締役
田永重 Amicogen Inc. Vice president
愼?脣? Amicogen Inc. CEO
石和田朋子 焼津水産化学工業(株) 研究開発部 研究員
又平芳春 焼津水産化学工業(株) 研究開発部 部長
何森健 香川大学 希少糖研究センター センター長
松尾達博 香川大学 農学部 助教授
早川茂 香川大学 農学部 教授
徳田雅明 香川大学 医学部 教授
山下洋 (株)林原 国際開発グループ
藤田孝輝 (株)横浜国際バイオ研究所 取締役研究部長
水渕裕之 昭和産業(株) 総合研究所 バイオ研究センター
藤井繁佳 味の素ゼネラルフーヅ(株) 商品開発研究所 グループ統轄マネージャー
熊王俊男 味の素ゼネラルフーヅ(株) 商品開発研究所 主任
大住幸寛 (株)白子 営業統括部(商品開発担当);製造部 次長
茶木貴光 (株)マルハグループ本社 中央研究所 第2研究チーム 
佐川裕章 タカラバイオ(株) バイオ研究所
榎竜嗣 タカラバイオ(株) バイオ研究所
加藤郁之進 タカラバイオ(株) バイオ研究所
橋本博之 信州大学 農学部 応用生命科学科 助教授
山下亜希子 信州大学 農学部 応用生命科学科 奨励研究員
富田響子 (株)ファンケル 中央研究所 健康食品開発部門 食品機能開発グループ 研究員
釜阪?ェ 江崎グリコ(株) 生物化学研究所 マネジャー
福森保則 ホクレン農業協同組合連合会 てん菜事業本部 技術開発課 調査役
三國克彦 (株)横浜国際バイオ研究所 開発部 取締役開発部長
植田実木生 扶桑化学工業(株) 営業開発一部 営業企画グループ 主査
村上洋 大阪市立工業研究所 生物・生活材料課 研究主任
村椿康隆 第一工業製薬(株) アメニティ材料研究部 課長
向井克之 ユニチカ(株) 中央研究所 マネージャー
大野智弘 (株)ファンケル 中央研究所 基盤探索部門 新素材探索グループ 研究員
滝井寛 江崎グリコ(株) 生物化学研究所
米谷俊 江崎グリコ(株) 中央研究所 所長
白岩雅和 茨城大学 農学部 資源生物科学科 助教授
吉田拓史 キユーピー(株) 研究所 タマゴR&Dセンター ファインケミカルグループ 
前田浩明 大和薬品(株) 研究開発部 部長 農学博士
大西伸和 西川ゴム工業(株) 技術開発部 祇園分室 研究員
岸本由香 松谷化学工業(株) 研究所 糖化開発部 課長
大隈一裕 松谷化学工業(株) 研究所 糖化開発部 取締役 研究所副所長
高田洋樹 江崎グリコ(株) 生物化学研究所 主任研究員
古林万木夫 ヒガシマル醤油(株) 研究所 上席研究員
山本久 マルハ(株) 化成食品事業部 化成品課 課長代理 農学博士
酒井武 タカラバイオ(株) バイオ研究所 薬効成分探索部門 主幹研究員
鈴木利雄 ダイソー(株) 研究開発本部 研究所 主席研究員
中村誠司 ダイソー(株) 研究開発本部 研究所 主任研究員
大野尚仁 東京薬科大学 薬学部 免疫学教室 教授
山口典男 キッコーマン(株) バイオケミカル事業部 機能性食品グループ 主幹

--------------------------------------------------------------------------------

目次

総論(井上國世)
1. 生命活動における機能
2. 糖とはなにか
3. 生体における糖の機能
4. 糖タンパク質
5. 糖脂質
6. 糖鎖に対する酵素反応
6.1 加水分解
6.2 縮合
6.3 転移
6.4 異性化
7. 糖の機能分類
8. 糖の栄養源としての機能(一次機能)
9. 糖の嗜好品としての機能(二次機能)
10. 糖の生体調節機能(三次機能)

【単糖・オリゴ糖】
第1章 エリスリトールの発酵生産技術の開発とその利用(春見隆文)
1. はじめに
2. エリスリトールとは
3. 糖アルコール生産菌の分離とエリスリトールの発酵生産
3.1 エリスリトール生産菌の分離
3.2 変異株の育成と性質
4. エリスリトールの生成機構と生理的意義
4.1 エリスリトールの生成機構
4.2 エリスリトール生成の生理的意義
5. エリスリトール発酵のスケールアップと工業生産
5.1 発酵条件とスケールアップ
5.2 工業生産
6. エリスリトールの特性と用途開発
6.1 物理・化学的特性
6.1.1 甘味度
6.1.2 味質改善作用
6.1.3 吸熱作用
6.1.4 吸湿性
6.1.5 エタノールの水和促進効果
6.2 生理機能的特性
6.2.1 低エネルギー性
6.2.2 低緩下作用
6.2.3 インシュリン非刺激性
6.2.4 う蝕性
6.2.5 ラジカルスカベンジ効果
6.3 エリスリトールの用途開発
6.3.1 安全性
6.3.2 食品用途
6.3.3 医薬品用途
6.3.4 工業分野への利用
7. 海外申請状況
8. おわりに

第2章 L‐アラビノースの製造と血糖値上昇抑制効果(山元英樹,鈍宝宗彦)
1.概要(特性・構造式)
2. 製造・加工技術
3. 生理機能
3.1 甘味度
3.2 代謝
3.3 血糖値上昇抑制効果
4. 作用機序
5. 安全性
6. 研究状況
7. 用途開発,実用の状況
8. 食品分野における展望

第3章 ノンカロリー甘味料スクラロースと糖尿病患者食への応用(井上健夫)
1. はじめに
2. スクラロースとは
3. スクラロースと糖尿病
4. スクラロースの食品への応用例
5. おわりに

第4章 D‐リボースの機能性(林田幸吉)
1. はじめに
2. D‐リボースのペント-スリン酸経路における役割
3. リボースの代謝
4. D‐リボースの骨格筋に対する効果
5. D‐リボースの意欲亢進作用
6. 安全性
7. まとめ

第5章 ピニトールの生理活性(草山泰和,田永重,愼?脣普j
1. はじめに
2. カイロ-イノシトール及びピニトールを含有する植物資源
3. ピニトールの開発状況
4. ピニトールの生理活性作用
4.1 血糖降下効果
4.1.1 血糖調節メカニズム
4.1.2 動物実験
4.1.3 2型糖尿患者に対するピニトールの長期投与効果
4.2 肝機能改善効果
4.2.1 動物実験
4.2.2 簡易臨床試験
4.3 白内障予防効果
4.3.1 糖尿病と白内障
4.3.2 研究方法
4.3.3 結果と考察
4.4 抗酸化成分増加効果
4.4.1 肝臓及び腎臓でのグルタチオン増加
4.4.2 眼球のグルタチオンの増加
4.4.3 肝臓の抗酸化酵素スーパーオキシドジスムターゼ (SOD)の活性に対するピニトールの影響
4.5 運動能力向上効果
4.5.1 糖代謝促進作用
4.5.2 クレアチン蓄積増加効果
4.6 抗炎症効果
4.7 その他の効果
5. おわりに

第6章 N‐アセチルグルコサミンの機能性と食品への応用(石和田朋子,又平芳春)
1. はじめに
2. 概要(特性・構造式)
3. 製造・加工技術
4. 生理機能
4.1 肌質改善効果
4.2 変形性関節症改善効果 
4.3 腸内細菌利用性
5. 作用機序
6. 安全性
7. 研究状況
8. 用途開発・実用の状況
9. 食品分野における展望

第7章 新規糖質素材としての希少糖の生産と食品分野への利用の可能性(何森健,松尾達博,早川茂,徳田雅明)
1. はじめに
2. 希少糖の生産
2.1 希少糖生産戦略イズモリング
2.1.1 生産戦略に用いる反応
2.1.2 イズモリングの構築
2.2 希少糖D‐プシコースの生産
2.2.1 D‐タガトース3‐エピメラーゼ
2.2.2 D‐タガトース3‐エピメラーゼを用いたD‐プシコースへの生産
3. D‐プシコースの食品素材としての利用
3.1 D‐プシコースの代謝経路
3.2 D‐プシコースの安全性
3.3 D‐プシコースの体脂肪蓄積抑制作用
3.4 D‐プシコースの血糖値上昇抑制作用
3.5 その他,希少糖の各種食品分野への利用の可能性
4. 希少糖の可能性
4.1 希少糖の幅広い生理活性とその応用
4.2 希少糖の糖質素材としての位置づけ

第8章 トレハロースの食品への応用(山下洋)
1. はじめに
2. トレハロースの製造
3. トレハロースの性質
3.1 不飽和脂肪酸との相互作用
3.2 ミネラルとの相互作用
3.3 水との相互作用(水和特性)
3.4 その他の性質
3.4.1 甘味
3.4.2 安定性
3.4.3 吸湿性
3.4.4 消化性
3.4.5 低う蝕性
4. トレハロースの安全性
4.1 食経験
4.2 安全性試験
5. おわりに

第9章 ラクトスクロース(乳果オリゴ糖)の機能性と食品への応用(藤田孝輝)
1. 概要
2. 製造・加工技術
2.1 製法
2.2 甘味度と甘味質
2.3 加工特性
3. 生理機能と作用機序
3.1 難消化性
3.2 腸内細菌叢及び便性状の改善
3.3 整腸効果
4. 安全性
5. 用途開発,実用化の状況
6. 研究開発状況
6.1 カルシウム(Ca)の吸収促進と骨に及ぼす影響
6.2 乳糖不耐症の症状の軽減
6.3 肥満予防効果
6.4 肝臓疾患患者の栄養改善効果
6.5 低コスト製造法の開発と結晶品の開発
7. 食品分野における展望

第10章 イソマルトオリゴ糖の機能性と食品への応用(水渕裕之)
1. はじめに
2. 製法と製品
2.1 製法
2.2 製品の糖組成と規格
3. 物性など諸特性
3.1 甘味特性
3.2 保湿性
3.3 耐熱性,耐酸性
3.4 メイラード反応
3.5 発酵性
4. 生理的な特徴
4.1 消化性およびエネルギー量
4.2 整腸作用と特定保健用食品
4.3 免疫賦活
4.3.1 免疫調節作用
4.3.2 内因性感染抑制効果
4.3.3 アレルギー改善効果
5. 安全性
6. おわりに

第11章 コーヒー由来マンノオリゴ糖の生理機能と食品への応用(藤井繁佳,熊王俊男)
1. はじめに
2. コーヒー由来マンノオリゴ糖の概要
2.1 甘味度および甘味質
2.2 耐熱性および耐酸性
2.3 長期保存性
3. 製造・加工技術
4. 生理機能
4.1 難消化性
4.2 腸内細菌における選択資化性
4.3 難う蝕性
5. 整腸機能の作用機序
6. 安全性
7. 研究状況
8. 用途開発
9. 食品分野における展望

第12章 ポルフィラン由来オリゴ糖の機能性と食品への応用(大住幸寛)
1. はじめに
2. ポルフィラン由来オリゴ糖の特性
3. ポルフィラン由来オリゴ糖の製造技術
4. ポルフィラン由来オリゴ糖の生理機能
4.1 消化・発酵性
4.2 血清および肝臓コレステロール低下作用
4.3 抗変異原作用
5. ポルフィラン由来オリゴ糖の安全性
5.1 変異原性
5.2 ラットにおける28日間反復投与毒性試験
6. 用途開発の状況および今後の展望

第13章 アルギン酸オリゴ糖の機能性と食品への応用(茶木貴光)
1. はじめに
2. アルギン酸分解酵素産生菌
3. アルギン酸オリゴ糖の特性
3.1 構造
3.2 栄養成分分析値
3.3 物理化学的性質
4. 生理機能
4.1 血圧上昇抑制作用
4.2 ヒト血圧に及ぼす影響
4.3 コレステロール低下作用
4.4 その他の作用
5. 作用機序
6. 安全性
6.1 急性経口毒性試験
6.2 亜慢性毒性試験
6.3 変異原性試験
6.4 ナトリウム含量
6.5 その他
7. 研究状況
8. 用途開発,実用の状況
9. 食品分野における展望

第14章 アガロオリゴ糖の抗炎症作用とメカニズム(佐川裕章,榎竜嗣,加藤郁之進)
1. はじめに
2. アガロオリゴ糖の一酸化窒素(NO)酸性抑制作用
3. アガロオリゴ糖のプロスタグランディン産生抑制作用
4. アガロオリゴ糖によるHO-1発現誘導
5. おわりに

第15章 α‐結合ガラクトオリゴ糖(α‐GOS)の機能性と食品への応用(橋本博之,山下亜希子)
1. はじめに
2. α‐ガラクトシル基を含む糖質の機能
3. Aspergillus niger APC-9319株由来のα‐ガラクトシダーゼ(APC‐9319酵素)を用いたα‐結合ガラクトオリゴ糖(α‐GOS)の製造
3.1 APC‐9319酵素の縮合反応
3.2 α‐GOSの製造
4. α‐GOSの食品としての性質と機能
4.1 α‐GOSの諸物性と風味改善効果
4.2 安全性
4.3 消化性試験
4.4 腸内細菌による資化性
5. α‐GOSによる免疫疾患の予防・治療の可能性
5.1 消化管感染症の制御
5.2 実験的アレルギー性喘息の抑制作用
5.3 自己免疫疾患による炎症の抑制作用
5.4 免疫調節機能のメカニズム
6. おわりに

第16章 新規オリゴ糖「ツイントースR」の機能性と応用(富田響子)
1. 概要 (特性・構造式)
2. 製造方法
3. 物性および安定性
4. 生理機能
4.1 ミネラル吸収促進
4.2 カルシウム吸収・体内保留率の向上
4.3 骨形成促進作用/骨粗鬆症予防・改善の可能性
5. その他の生理機能
5.1 難消化性-血糖値やインスリン値を上昇させない
5.2 腸内細菌利用性-低カロリー
5.3 非う触性
6. 作用機序
7. 安全性
8. 用途開発,実用および研究状況
9. 食品分野における展望

第17章 リン酸化オリゴ糖カルシウムの食品への利用(釜阪?ェ)
1. はじめに
2. リン酸化オリゴ糖の調製と構造
3. リン酸化オリゴ糖の特性
4. リン酸化オリゴ糖のオーラルヘルスへの応用
5. POs-CaRのガム「ポスカムR」への利用
6. 「ポスカムR」の再石灰化効果 ~口内環境を整える~
7. おわりに

第18章 結晶オリゴ糖1-ケストースの特性(福森保則)
1. 構造式と性質
2. 製造方法
3. 物性上の特徴
4. 腸内環境の改善効果
4.1 腸内有用菌を増殖
4.2 短鎖脂肪酸を増加
4.3 便通改善効果
4.4 他のフラクトオリゴ糖との比較
5. コレステロール上昇抑制作用
5.1 胆汁酸排出の促進
5.2 高脂肪食投与時におけるビフィズス菌の増加
5.3 血中コレステロール上昇の抑制作用
6. 肌水分に与える効果
7. 安全性
8. 研究及び用途開発の状況
9. 食品分野における展望

第19章 機能性食品素材としての環状四糖(山下洋)
1. はじめに
2. CTSの製造
3. CTSの性質
4. CTSの機能性
4.1 CTSの脂質代謝に及ぼす影響
4.2 ミネラル吸収促進作用
4.3 アルコールやビタミン類との相互作用
5. CTSの安全性
6. おわりに

第20章 サイクロデキストリンと分岐サイクロデキストリンの機能性食品への応用(三國克彦)
1. サイクロデキストリンの概要
2. 製造・加工技術
3. 生理機能
4. 作用機序
5. 安全性
6. 研究状況
7. 用途開発,実用の状況

【配糖体・糖誘導体・その他】
第1章 グルコン酸亜鉛・グルコン酸銅(植田実木生)
1. はじめに
2. グルコン酸亜鉛,グルコン酸銅の使用基準
3. グルコン酸亜鉛,グルコン酸銅の特長
4. おわりに

第2章 ラクトビオン酸の機能性と食品への応用(村上洋)
1. ラクトビオン酸とは
2. ラクトビオン酸の機能および利用
3. 生産および利用の現状
4. ラクトビオン酸の新たな生産法
4.1 発酵法によるラクトビオン酸の生産
4.2 微生物変換法によるラクトビオン酸の生産
5. ラクトビオン酸の食品への応用
5.1 機能性を生かした用途
5.2 応用に向けての課題

第3章 ショ糖脂肪酸エステルの食品への応用(村椿康隆)
1. はじめに
2. ショ糖脂肪酸エステルの生分解性
3. ショ糖脂肪酸エステルの性能と応用
4. SEの新しい利用技術
4.1 でんぷん食品への利用
4.2 可溶化分散性能
4.3 食品以外への応用
5. まとめ

第4章 グルコシルセラミドの機能性と食品への応用(向井克之)
1. はじめに
2. セラミドとは
3. 植物性グルコシルセラミド
4. グルコシルセラミドの抽出・精製とその性質
5. グルコシルセラミドのヒト皮膚に対する保湿効果
6. グルコシルセラミドのアトピー性皮膚炎改善効果
7. グルコシルセラミドのピロリ菌に対する効果
8. おわりに

第5章 ケール由来糖脂質の機能性(大野智弘)
1. はじめに
2. 生理機能
3. 有効成分の探索および作用機序の解明
4. 各糖の概要(特性・構造式)
5. 食経験としての安全性
6. 製造・加工技術
7. おわりに

第6章 サトウキビ由来のフェノール性配糖体(滝井寛)
1. はじめに
2. サトウキビに存在する黒色物質について
3. サトウキビ由来の黒色物質の生理作用
4. おわりに

第7章 糖転移ヘスペリジン(ヘスペリジン配糖体)の機能性と食品への応用(米谷俊)
1. 概要
2. 製造・加工技術
3. 生理機能および作用機序
3.1 生体への吸収性
3.2 発がん抑制作用
3.3 骨粗鬆症改善作用
3.4 高血圧改善作用
4. 安全性
5. 研究状況
5.1 冷え性改善作用
5.2 高脂血症改善作用
5.3 リウマチ症状改善作用
6. 用途開発,実用の状況
6.1 紫外線による天然色素の退色の防止
6.2 みかん加工品への利用
6.3 味質の改善
7. 食品分野における展望

第8章 グルコシル化アスコルビン酸の製造と食品の抗酸化作用(井上國世)
1. ビタミンCとしてのアスコルビン酸
2. アスコルビン酸の生理的機能
3. 酵素を用いるL-アスコルビン酸2-グルコシドの合成
4. その他のアスコルビン酸誘導体
4.1  L-アスコルビン酸2-リン酸エステル (L-ascorbyl 2-phosphate)
4.2  L-アスコルビン酸ステアリン酸エステル (L-ascorbyl stearate)
4.3 L-アスコルビン酸パルミチン酸エステル (L-ascorbyl palmitate)
4.4  L-アスコルビン酸2-リン酸,6-パルミチン酸エステル (L-ascorbyl 2-phosphate, 6?palmitate)
5.  Bacillus stearothermophilus マルトース生成アミラーゼによるアスコルビン酸配糖体の合成
6. グリコシル化アスコルビン酸による調理済み食品における脂肪酸酸化の抑制
7. 結論

第9章 大豆サポニンの機能性(白岩雅和)
1. 大豆サポニンの構造・特性
2. 大豆サポニンの抽出および精製法
3. 大豆サポニンの大豆種子および大豆加工食品中の含量
4. 大豆サポニンの生理機能とその作用機序
5. 大豆サポニンの安全性
6. 大豆サポニンに関する研究状況と今後の展望

第10章 新規配糖体の開発(米谷俊)
1. はじめに
2. アントシアニン
2.1 概要
2.2 製造・加工技術
2.3 生理機能
2.3.1 大腸発がん抑制作用
2.3.2 抗肥満作用
2.3.3 高血圧予防作用
2.4 作用機序
2.5 安全性
2.6 用途開発,実用の状況
2.7 食品分野における展望
3. グリチルリチン,グリチルレチン酸モノグルクロニド
3.1 概要
3.2 製造
3.3 生理機能
3.3.1 甘味発現
3.3.2 呈味改善効果
3.3.3 発がん抑制作用
3.4 作用機序
3.5 安全性
3.6 研究状況
3.7 用途開発,実用の現状
3.8 食品分野における展望
4. ルチン配糖体,イソケルシトリン配糖体
4.1 概要
4.2 製造・加工技術
4.3 生理機能および作用機序
4.4 安全性
4.5 用途開発,実用の状況および食品分野における展望

【多糖類】
第1章 ヒアルロン酸の生理機能と食品への応用(吉田拓史)
1. はじめに
2. ヒアルロン酸とは
2.1 生体内の水分保持効果
2.2 創傷治癒効果
2.3 潤滑作用
3. 原料と製造方法
3.1 鶏冠抽出法
3.2 微生物発酵法
4. 医薬品,化粧品におけるヒアルロン酸
4.1 医薬品としてのヒアルロン酸
4.1.1 関節機能改善
4.1.2 眼科領域でのヒアルロン酸の利用
4.2 化粧品としてのヒアルロン酸
5. 食品への応用
5.1 ヒアルロン酸の食経験について
5.2 安全性について
5.3 ヒアルロン酸を食品として用いる意義
5.4 ヒアルロン酸の吸収について
5.5 食品としての使用例と今後の展望

第2章 米ぬかアラビノキシラン誘導体(バイオブラン/MGN-3)の機能性と食品への応用(前田浩明)
1. はじめに
2. バイオブランの開発
3. バイオブランの製法の概要
4. バイオブランの免疫調節に関わる成分の化学構造式
4.1 材料および方法
4.2 結果と考察
5. 生理活性と有効性
5.1 バイオブランのNK細胞強化作用
5.1.1 in vitro test
5.1.2 in vivo test (rat)
5.1.3 ヒトに対する作用
5.1.4 NK細胞に対するバイオブランの作用機序
5.2 抗腫瘍剤シスプラチン,アドリアマイシンによる毒性誘発ラットに対するバイオブランの効果
5.2.1 方法
5.2.2 結果
5.3 バイオブランの免疫賦活作用による高齢者に対するかぜ症候群予防効果
5.3.1 緒言
5.3.2 材料と方法
5.3.3 結果
5.4 バイオブランは新生児期にストレプトゾシンを投与したNIDDM成熟ラットの耐糖能を改善させる
6. 安全性
7. おわりに

第3章 粘質性多糖類ケフィランの生理機能と食品への応用(前田浩明)
1. はじめに
2. 開発の経緯
3. 多糖生産菌L.kefiranofaciensによる粘性多糖の生産技術
3.1 培地の検討
3.2 多糖の工業生産法の確立
4. 米培地から得られた菌体外多糖の化学構造の確認
5. 生理活性
5.1 血圧上昇抑制ならびに抗動脈硬化作用
5.2 血糖降下作用
5.3 整腸作用
6. 脂質代謝改善作用の作用機序
7. 安全性
8. おわりに

第4章 グルコマンナンの免疫調節機能と食品への応用(大西伸和)
1. はじめに
2. 各種グルコマンナンの作製
3. 各種グルコマンナンの特性
4. グルコマンナンの抗アレルギー作用
5. 微粉砕グルコマンナンの安全性と用途開発
6. おわりに

第5章 難消化デキストリンの機能性と食品への応用(岸本由香,大隈一裕)
1. 難消化性デキストリンの製造方法および基本物性
2. 生理機能
2.1 整腸作用
2.2 食後血糖上昇抑制作用
2.3 総コレステロール・中性脂肪低下作用
2.4 体脂肪低減作用
3. 安全性
4. 食品への利用
4.1 生理機能を利用した食品開発
4.1.1 特定保健用食品
4.1.2 エネルギー持続型スポーツドリンク
4.2 難化性デキストリンの基本物性を利用した食品開発
4.2.1 食物繊維強化食品
4.2.2 脂肪代替としての利用
4.2.3 砂糖代替と脂肪代替の同時利用
4.2.4 味質改善効果
4.2.5 アルコール飲料への利用

第6章 高度分岐環状糖質(クラスター デキストリンR)とグリコーゲンの機能性と食品への応用(高田洋樹)
1. はじめに
2. 高度分岐環状デキストリン(クラスター デキストリンR)
2.1 ブランチングエンザイムの作用とクラスター デキストリンの製造
2.2 クラスター デキストリンの特徴と利用
3. グリコーゲン
4. おわりに

第7章 醤油に含まれる多糖類(しょうゆ多糖類)の機能性(古林万木夫)
1. 醤油に含まれる多糖類(しょうゆ多糖類)
2. SPS(しょうゆ多糖類)の機能性
2.1 in vitroでの抗アレルギー活性
2.2 in vivoでの抗アレルギー活性
3. SPSのヒト臨床試験
3.1 通年性アレルギーに対するSPSの抗アレルギー効果
3.2 スギ花粉症に対するSPSの抗アレルギー効果
4. SPSの食品分野における展望

第8章 キチン・キトサンおよびその関連糖質の機能性と食品への応用(又平芳春)
1. キチン・キトサンとは
2. キチン,キトサンの工業的製造方法と品質
3. キチン・キトサンの特性と生理機能性
4. キチン・キトサンの食品分野への利用
4.1 食品添加物
4.2 健康補助食品
4.3 特定保健用食品
5. 関連糖質について
6. 食品分野における展望

第9章 コンドロイチン硫酸の機能性と食品への応用(山本久)
1. コンドロイチン硫酸とは?
2. 医薬品・化粧品用途と食品用途
3. 食品用途での機能性
3.1 関節・骨
3.2 美容
3.3 その他

第10章 ガゴメコンブ由来フコイダンの機能性とその健康食品への応用(酒井武,加藤郁之進)
1. フコイダンとは
2. フコイダンの構造
3. ガゴメコンブ由来フコイダンの構造
4. F. vesiculosus由来フコイダンの構造
5. オキナワモズク由来フコイダンの構造
6. ワカメメカブ由来フコイダンの構造
7. フコイダンの製造方法
8. フコイダンの安全性
9. フコイダンの生物活性
9.1 ガゴメ由来フコイダンの生物活性
9.1.1 腫瘍増殖抑制作用及び担癌動物の延命作用
9.1.2 アレルギー反応抑制作用
9.1.3 ヘリコバクターピロリ感染抑制作用
9.1.4 フコイダンオリゴ糖による血栓形成抑制作用
9.1.5 肝細胞増殖因子(HGF)の産生増強作用
9.2 オキナワモズク由来フコイダンの生物活性
9.2.1 ヘリコバクターピロリ感染抑制作用
9.2.2 胃潰瘍発症抑制作用
9.3 その他の海藻由来フコイダン
9.3.1 腫瘍増殖抑制作用
10. ガゴメフコイダンを利用した食品
11. 食品分野における今後の展望

第11章 黒酵母Aureobasidium pullulansによる高純度β-グルカンの生産とその生理機能(鈴木利雄,中村誠司)
1. はじめに
2. β‐グルカンの一般的知識
3. 黒酵母Aureobasidium pullulanns 1A1株の産生するβ-1,3-1,6-グルカン
3.1 ダイソーでのβ-グルカンの開発
3.2 Aurebasidium pullulansのβ-グルカンの構造
3.3 Aureobasidium pullulansを用いた醗酵法によるβ-1,3-1,6-グルカンの生産
3.4 DSβ-グルカンの構造とその緒性質
4. DSβ-グルカンの生理機能について
4.1 DSβ-グルカンの免疫賦活機能と安全性について
4.2 DSβ-グルカンの腸管免疫賦活効果について
4.3 DSβ-グルカンの抗腫瘍活性と抗癌転移活性について
5. おわりに

第12章 βグルカンと大豆イソフラボンの免疫修飾作用における相乗効果(大野尚仁)
1. はじめに
2. 受容体レベルのクロストーク
3. βグルカンの作用
4. 大豆イソフラボンの作用
5. βグルカンと大豆イソフラボンの相乗作用
6. まとめ

第13章 オーツ麦由来β‐グルカンの機能性と食品への応用(山口典男)
1. はじめに-オーツ麦β‐グルカンの特徴
2. 心血管の健康への効果
3. 糖質代謝の調節
4. 高血圧抑制効果
5. 満腹感と体重減少
6. 胃腸の健康
7. メタボリック・シンドロームへの対抗手段
8. 免疫賦活効果
9. ヒトでの免疫賦活効果確認試験
9.1 ボランティアの選択
9.2 試験食
9.3 試験期間,スケジュール,測定項目
9.4 統計処理と脱落者の基準
9.5 試験結果
9.6 考察およびまとめ
10. おわりに

内容説明

本書では、それら食品分野で活躍する機能性の糖質“機能性糖質素材”に焦点を当て、その物性、製造方法、生理活性、作用機序、食品への応用、食品分野における問題点と課題さらに展望を第一線の研究者にまとめていただいた。

目次

総論編(生命活動における機能;糖とはなにか ほか)
単糖・オリゴ糖(エリスリトールの発酵生産技術の開発とその利用;L‐アラビノースの製造と血糖値上昇抑制効果 ほか)
配糖体・糖誘導体・その他(グルコン酸亜鉛・グルコン酸銅;ラクトビオン酸の機能性と食品への応用 ほか)
多糖類(ヒアルロン酸の生理機能と食品への応用;米ぬかアラビノキシラン誘導体(バイオブラン/MGN‐3)の機能性と食品への応用 ほか)

著者等紹介

井上國世[イノウエクニヨ]
京都大学大学院農学研究科食品生物科学専攻教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。