内容説明
生きていくための栄養や知恵を子は親からいかに受け取るのか?乳を飲んでいるアカンボウの顔をのぞき込めるほど群れにとけ込み、ビデオを活用した緻密な観察により、授乳や毛づくろいがどのように行われるのか、そしてその技術がいかに伝わっていくのかを解き明かす。
目次
第1章 観察の始まり
第2章 授乳行動
第3章 ニホンザルと物理法則
第4章 行動の社会的伝達―ニホンザルにおけるシラミ取りを中心にして
第5章 終わりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gachin
1
研究寄りの研究エッセイ。観察の大切さを説く。誤記も多く多少なり幼いが、真摯で熱血なので読んでて励まされる。本を書くなら、科学と研究活動はこのくらいのブレンドが良いのかも/ 体重だけで見れば、器官形成と知性,人格形成の時期はコンパラブルで、共に増加が鈍る。これだけマクロな現象でさえ分化と増殖のトレードオフが見える/ 仔は授乳期にいろいろな食べ物を試行錯誤する。次の子の出産が確実視されたタイミングで今の子の授乳が止まる/ 高順位個体は低順位個体から一方的に毛繕いを受けるので、技術面で情報格差が生まれる。2023/01/09
真黒コスモス
0
ほとんどサル研究のエッセイ。観察って大変だなぁと思わされる。餌の取り方、ノミの取り方はどう伝わるか、が一応本題。サルは見て盗むが中心。人間はわざわざ「教える」ところに特徴があるらしい。2015/10/08