内容説明
本書は、過去14年にわたるわれわれのウタリ社会研究の成果を世に問うものである。調査開始から状況は大きく変化したとはいえ、本書はアイヌ民族の日常的現実を描くと同時に、アイヌ民族に関する現代史の1断面にも触れている。それは、日本人が少数民族にたいしてどのような態度で接してきたかを、その社会的事実を科学的研究をとおして明示するものである。
目次
第1章 二風谷と穂別のウタリ社会―住民生活の比較研究
第2章 ウタリ社会と差別・偏見―浦河町の社会調査
第3章 ウタリ社会の住み心地―浦河町の事例
第4章 ウタリ社会の統合と宗教的行為―様似町の社会調査
第5章 社会運動としての北海道ウタリ協会―福祉運動から先住民族
第6章 ウタリ社会と文化的記憶の葛藤―伊達市の社会調査