出版社内容情報
【内容】
明治前期、農業の近代化をめぐって近代農学と伝統農学とが激しくせめぎあった。「老農時代」を成立させた林遠里と観農社における農業改良の軌跡を新たな視点から位置づける。
【目次】
序 章 「稲作論争」の問いかけるもの-天性に従うか、天性を率いるか-
小括
第一章 明治前期農事改良運動の展開
第二章 林遠里と勧農社
第三章 福岡県実業教師の派遣
小括
第四章 島根県における林遠里稲作改良法の導入と地方名望家
小括
第五章 明治二〇年における一老農の農事巡回-福岡県老農高原謙次郎の京都府農事巡回-
小括
第六章 栃木県における実業教師谷茂三の活動-明治二五年一一月「巡回日誌帳」を素材に-
小括
第七章 明治二〇年代長野県における林遠里稲作改良法の導入-実業教師の活動と改良法導入の意図-
小括
第八章 老農農法から篤農農法へ-坂田式稲作改良法の形成-
小括
終章 農事改良史研究の成果と課題
内容説明
日本の近代化=西洋化が声高に叫ばれた明治前期、農業の近代化をめぐって近代農学と伝統農学とが激しくせめぎあった。本書は、この「稲作論争」のなかで近代農学士たちから攻撃の的となった、ひとりの老農、林遠里と、彼のまわりに集い、彼の技術と思想を普及しようとして、福岡の地から全国各府県に派遣されていった実業教師たちの情熱と活動する姿を生きいきと描き出す。「老農時代」を成立させた林遠里と勧農社における農事改良の軌跡を、日本近代史のなかに新たな視点から位置づける。
目次
序章 「稲作論争」の問いかけるもの
第1章 明治前期農事改良運動の展開
第2章 林遠里と勧農社
第3章 福岡県実業教師の派遣
第4章 島根県における林遠里稲作改良法の導入と地方名望家
第5章 明治20年における一老農の農事巡回
第6章 栃木県における実業教師谷茂三の活動
第7章 明治20年代長野県における林遠里稲作改良法の導入
第8章 老農農法から篤農農法へ
終章 農事改良史研究の成果と課題