内容説明
日本人の科学者が書いた英語論文には、せっかく立派な研究成果であるにもかかわらず、英語による表現力が乏しく、その成果が十分伝わらないものが多い。本書の初版は、そのような日本人科学者の弱点をよく知りつくした国内外の方々が執筆にあたり、たいへん好評を博した。しかし、「タイプライターと墨入れペン」が主な手段であった論文作成も１５年が経過した「コンピューターとインターネット」の現在では、一部その内容が時代に即さなくなってきた。そこで、第２版では初版の長所を活かしながら、電子化時代の現代にふさわしい最新の内容を盛り込んだ。英語論文を書くにあたってぜひ読んでおきたい一冊であり、辞書的にも使える座右の書である。
目次
１ 科学論文を英語で書くにあたって
２ 英語論文を書く
３ 日本人の英語によく見られる誤りとその避け方
４ 英語圏科学者からの提言
５ 図、表、写真の基本と作成
６ 投稿原稿の作成と電子化出版
７ 研究者と著作権
８ 論文の投稿、査読、受理までの過程
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Koning
13
物理学会謹製の英語論文の書き方についての１冊。特に日本人が陥りやすい罠とか実はこういうニュアンスに取られかねない実例集は楽しい。TeXを使うかどうか？で宗教論争的になったりする事が最近あったけれど（笑）それは置いといてオンラインジャーナルも日本のそれはいざ知らず（そもそもオンラインジャーナルにしてないとこもまだある）海外はそれがデフォルトだし、そろそろEPUBも視野に入れて置くべき（TeXからも作れるよね）時期になってるけれど、後半の図版類のあれこれも含めて古いようで古くないという恐るべき１冊。2014/02/22
タケオ
2
論文の書き方の本を他に読んだことがないので、比較することはできませんが、とりあえず一冊あった方が論文は書きやすいと思います。タイトルからは英語の書き方の本というイメージですが、それだけではなく、論文自体の書き方も丁寧に書いています。2009/01/30
さーど
1
英語論文執筆段階だけれども何から手を付けていいか分からないといった人は読んでみると救われるかもしれない．2017/08/10
Kenny
1
思い返してみると、論文の書き方を教えて貰ったことは無かったため、文献から学習しようと思い読んだ本。古文であるため、図やグラフの作成方法や印刷仕方など、不要となってしまった情報もあったが、前半部の英語論文の書き方は大変参考になった。英語の書き方に関して、「ピアノの上達に励むようなもので、良き師に恵まれること、日々練習に打ち込むこと、優れた演奏に耳を傾けることです。」との内容が印象的で、多くの良書を読み、要点(考えを整理して)まとめて、第3者と議論する機会を設けられるかが大切だと感じました。2016/03/21
