出版社内容情報
日本とメキシコの在来種に「品種とは何か」を尋ね、庄内の民間育種家の情熱と手法に育種の原点をさぐる。地域と農法から遊離した現代育種の盲点をつき、バイテクを問う。育種研究と綿密な調査にもとづく本格的品種論。
内容説明
作物の品種は、風土の異なる各地域において、その独特の風土とそこに生活した人間の働き合いの結果として生まれ、発展してきたものである。したがって、在来品種のようなものをみるときも、その品種の生まれ育った風土と人間を総合的な視野のもとにおいてみる必要がある。そのような視点から品種をみると、現代育種には、その著しい技術的進歩とは別に、今一度原点にたちもどって考えてみる必要のある問題が内在しているように思われる。
目次
第1部 今、なぜ品種か(生活文化のなかの品種;メキシコ文明にみる食・栽培・品種;現代育種の盲点)
第2部 育種の原点をさぐる―庄内地方の民間育種の軌跡(在来品種とは何か;適地適品種の追求;変異の拡大の試み;選抜の視点;根底にあった「品種の退化現象」;民間育種家の技術;官民協力の雛形)