感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
高橋 橘苑
14
中谷巌氏による、1982年のまえがきが、本書の構成と内容を示唆している。特に第5章以下は、台頭するサプライサイド経済学をかなり意識した論述で、マクロ経済学という学問が、如何に時代の趨勢に後追い的に解釈されて来たかが分かる。マネタリストやサプライサイダーを支持している訳では無いが、ケインズ政策を否定したレーガノミクスやサッチャリズムは、本書にある様に歴史の必然と考える。本書を読んで、皮肉な事にかつての日本がサプライサイドの優等生に思えてきた。GNP比での歳出規模が小さい・高貯蓄率・マル優・特別償却制度・・。2015/08/30