内容説明
「教養とは何か」「教養にはどんな効用があるのか」―。大正教養主義から、八〇年代のニューアカ、そして、現在の「教養崩壊」まで、えんえんと生産・批判・消費され続ける教養言説の底に潜む悲喜劇的な欲望を、出版社との共犯関係・女性や階級とのかかわりなど、さまざまな側面から映しだす。知的マゾヒズムを刺激しつつ、一風変わった教養主義の復権を目指す、ちょっと意地悪で少しさわやかな教養論論。
目次
第1章 教養、あるいは「男の子いかに生くべきか」(教養死すとも;教養論をめぐる困難 ほか)
第2章 戦争、そして教養がよみがえる(学力低下を最初に嘆いた人物;教師は喜んでいるか ほか)
第3章 出版社、この教養の敵(教養のアント;いわゆる東大中沢事件 ほか)
第4章 女、教養と階級が交わる場所(禁句について;上野千鶴子なんか怖くない ほか)
著者等紹介
高田里恵子[タカダリエコ]
1958年神奈川県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。桃山学院大学教授。専門はドイツ文学・日本におけるドイツ文学研究の歴史
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