内容説明
試験にオマケの点数を願いでる学生の扱い方から、板書のコツ、効果的な応用のしかたまで、一般論に陥ることなく、ユーモアをまじえ、生き生きと語りかけてくる大学授業の実践的ガイドブック。カンニング、賄賂、セクハラなど微妙な問題も取り上げられています。著者は数学の大学教師ですが、教える教科を問わず、初めて大学で教える教師には本書のアドバイスがきっと役立つでしょうし、経験を積んだ教師は教授法に磨きをかけるヒントを数多く見出すことができるはずです。
目次
1章 基本編(学生への敬意;教師の心構え;個人的な営み ほか)
2章 実践編(声の使い方;目と目を合わせる;板書のしかた ほか)
3章 難関編(英語が母国語でない教師;課題提出の遅れ;学生の不正行為 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
木村すらいむ
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大学の数学の先生が、講義を行なうときにぶつかる問題を通して学んだ、講義を行なう考え方がのっている。準備をたくさんすることよりも、意識の向け方が大事だという主張が多いので、単に講義だけでなく、ゼミ発表や講演をうまく行う方法としても役立てられるだろう。2013/05/20
Akeru
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授業を受ける学生の心構えについて書いた本かな、と思ったが違った。教師視点で、授業をいかに良くするか考える本だ。数学教師が書いた本だが、教える者であるならば、この本に書いてあることは参考になる。「低レベルな質問に対しても丁寧に答えること」、「教師が解くのに10~15分かかる試験は、学生にとって50分」など、著者の経験に基づいて書かれている。私の、一人の学生としての意見だが、私の出会った良い教師とダメな教師は、どちらもこの本に書いてある様々な点に当てはまる。2010/11/13
yu-ente-isra
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アメリカの数学者の著書の和訳なので、言い回しの翻訳感は気になる。概ね同意できる内容で、実践出来ていると信じたい。アメリカと日本の学生は、質も性格も全く異なっている割に、授業のやり方は比較的近くて少し驚いた。アメリカは、大学のレベルが上がっても、学生のばらつきが大きいので、このような丁寧な教え方になるのかと推測できる。 関係ないことだが、教師のマニュアルとして、授業中使う言葉として、例えば、snowmanという単語は不適切で、snowpersonを使え、とあり驚いた。不思議な国にだ。2020/08/21