「正しい戦争」という思想

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「正しい戦争」という思想

  • 山内 進【編】
  • 価格 ¥3,080(本体¥2,800)
  • 勁草書房(2006/04発売)
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  • サイズ B6判/ページ数 269,/高さ 20cm
  • 商品コード 9784326450787
  • NDC分類 391.1
  • Cコード C3032

出版社内容情報

戦争はすべて悪…か?ジハード、十字軍、帝国、アメリカ──かれらは戦争の良し悪しをどうやって決めてるのだろう。

「戦争はすべて悪い」。この論理はきわめて明快でわかりやすい。けれども戦争の歴史は人類と同じくらい古い。古代ローマからイラク戦争まで、キケローからハーバーマスまで、世界の思想家たちは「正しい戦争」という思想を鍛えあげてきたのだ。日本人が誤解しやすいこの思想を検証する、画期的論文集。

関連書:小林正弥編『戦争批判の公共哲学』(勁草書房刊)


序論 聖戦・正戦・合法戦争
──「正しい戦争」とは何か──
1 「正しい戦争」
2 聖戦
3 正戦──古代・中世
4 正戦──近世・近代
5 合法戦争

第Ⅰ部 ヨーロッパの内外からみた「正しい戦争」

第1章 異教徒に権利はあるか
──中世ヨーロッパの正戦論──
1 ホスティエンシスの理論
2 カノン法学の聖戦論(1)
3 カノン法学の聖戦論(2)
4 私の羊たちを飼いなさい
5 文明と野蛮

第2章 ≪征服はなかった≫──インカ帝国征服戦争
──正戦論に対する敗者の異議申し立て──
1 インディアス論争とインディヘニスモ
2 ビトリア、セプールベダ、ラス・カサス
3 インディアス論争の風化とアンデスの状況
4 ポマの訴え
5 ポマとラス・カサス

第Ⅱ部 キリスト教とイスラームの「正しい戦争」

第3章 キリスト教の正戦論
──アウグスティヌスの聖書解釈と自然法──
1 西欧中世における正戦論の成立
2 古代教父における二つの伝統
3 アウグスティヌスの聖書解釈
4 選民イスラエルと「聖戦」の可能性
5 現代のキリスト教正戦論と平和主義の課題

第4章 イスラームにおける正しい戦い
──テロリズムはジハードか──
1 ジハードとは何か?
2 戦闘行為によるジハード
3 テロリズムはジハードか?
4 なぜ自爆テロはやまないのか?
5 最善のジハード

第Ⅲ部 現代の「正しい戦争」論
──ヨーロッパとアメリカ

第5章 20世紀における正戦論の展開を考える
──カール・シュミットからハーバーマスまで──
1 欧州正戦論への問い
2 ポスト冷戦期における正戦概念の復活──ハーバーマスのコソボ空爆擁護論
3 戦間期における正戦論の起源──C・シュミットの正戦批判
4 9・11以後における正戦論の再活性化──ハーバーマスのイラク戦争批判
5 欧州正戦論の意義

第6章 最近のアメリカが考える「正しい戦争」
──保守とリベラル──
1 アメリカにおける「正しい戦争」論の磁場
2 保守派の正戦論──エルシュテインの議論
3 左派の正戦論──ウォルツアーの議論
4 人道的介入のわな──イグナティエフの迷走
5 アメリカの正戦論をどう受けとめるべきか

第7章 国際法から見た「正しい戦争」とは何か
──戦争規制の効力と限界──
1 「正しい戦争」をめぐる歴史的展開
2 戦争違法化と国際連盟
3 現在の武力行使の規制枠組み
4 冷戦の解消と国連安全保障理事会
5 岐路に立つ武力行使規制枠組み──最近の三つの事例

むすびにかえて──「正しい戦争」の道徳性

引用・参考文献
事項索引/人名索引
著者紹介

内容説明

ジハード、十字軍、アメリカ。戦争はすべて悪…か?古代ローマからイラク戦争まで、キケロからハーバーマスまで―いまもっともアクチュアルな「正しい戦争」という思想を考える。

目次

聖戦・正戦・合法戦争―「正しい戦争」とは何か
第1部 ヨーロッパの内外からみた「正しい戦争」(異教徒に権利はあるか―中世ヨーロッパの正戦論;「征服はなかった」 インカ帝国征服戦争―正戦論に対する敗者の異議申し立て)
第2部 キリスト教とイスラームの「正しい戦争」(キリスト教の正戦論―アウグスティヌスの聖書解釈と自然法;イスラームにおける正しい戦い―テロリズムはジハードか)
第3部 現代の「正しい戦争」論―ヨーロッパとアメリカ(20世紀における正戦論の展開を考える―カール・シュミットからハーバーマスまで;最近のアメリカが考える「正しい戦争」―保守とリベラル;国際法から見た「正しい戦争」とは何か―戦争規制の効力と限界)

著者等紹介

山内進[ヤマウチススム]
1949年生まれ。一橋大学大学院法学研究科博士課程中途退学。一橋大学法学博士。成城大学教授などを経て、一橋大学大学院法学研究科教授(西洋法制史、比較法制史)。主著に『北の十字軍』(講談社、1997年、サントリー学芸賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ちぃ

23
「正しい戦争」というのは正義の概念とは相いれず、合法か非合法かのみが存在する。合法的な戦争というのも、ヨーロッパ的な考え方に依拠しており、それが今日に至る世界の歪みを生み出したともいえる。でも、【戦争】においてある程度のルールを設けることは、戦争法、国際法が生まれた17世紀ごろは必須だったのだろう。それを、また異教徒のところに持ち込んだりしてるから今こうなのかな。随所で引用されているシュミットの本を読もうと思いました。2017/06/24

Haruka Fukuhara

8
思ったよりずっと充実した内容だった。正戦と正しい戦争を区別しつつヨーロッパに固有の概念として長い歴史を持つ正戦を丁寧に論じていたのが印象的だった。キリスト教的世界観、文明と野蛮と未開といったものに非西洋が翻弄された歴史を浮き彫りにしていて興味深い。キリスト教の異端というと単なる教義上の内輪もめという印象だったが、外部の世界との交わり方など様々な問題への向き合い方についての争いだと知ると随分と印象が変わってくる。2017/03/09

Ecriture

4
図書館で借りて読んだけど、あまりに良い本なので自分で買います。2011/02/02

ウラー

2
正しい戦争の話題では『そもそも戦争はしてはいけないのだから、正しい戦争が何かを考えるのは間違っている』という議論になりがちだが、本書は最初に西洋に伝統的に正戦論が存在する事実を理由に「正しい戦争」という思想が存在してきた(現在も存在している)ことを断った上で議論をはじめている。そして古代から現代までの議論を検討し、正戦論が戦争を抑制するための思想であること、近代主権国家体制では正戦論より戦時国際法の遵守が重要視されたこと、二度の大戦の惨禍により正戦論が復活し集団安全保障の基礎となったことなどを確認する。2019/11/25

kuribosu

2
正しい戦争というのは後付けの理由でしかない。合法的な戦争はあっても、その判断を事前に誰がするのか、違法なら止められるのか。格差やテロとかで、きな臭くなってきてるので、本書の内容をもっと議論すべきと思った。2017/07/14

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