出版社内容情報
現存在分析は，精神分析学と現象学との出会いから生まれた。それは研究室や実験室でのアカデミックな学問ではなく，臨床の現場で苦悩している人々のためのものである。本書は，ややもすれば哲学的で難解といわれる現存在分析の基礎的方法を，「性愛」「心身症」「夢」「精神病」などの具体的事例の考察を通して，分かりやすく紹介している。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gorgeanalogue
5
現象学と精神分析を総合するような立場で、精神医学を再定義しようとする試み、といっていいだろうか。ただちょっと前の本だし、現在「現存在分析」という用語が生きているのか、またその系譜がどのような展開を遂げてきたのかわからないけど、中井久夫の統合失調症論になんかに引き継がれているのかなあ。精神分析と現象学の関係については、『これが現象学だ』の終章と比べてみると興味深い。2020/07/09
