NHKブックス<br> 深海生物学への招待

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NHKブックス
深海生物学への招待

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  • サイズ B6判/ページ数 235p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140017753
  • NDC分類 468.8
  • Cコード C1345

出版社内容情報

深海の海底にはマグマに熱せられた熱水が噴出する孔があり、その周辺には、チューブワームという細長い筒状の奇妙な生物が群生している。チューブワームには、口も消化管も肛門もない。ではどうやって栄養を摂取しているのかというと、体の中に沢山の共生バクテリアが詰まっていて、それが熱水に含まれる硫化水素やメタンなどをもとに化学合成を行っている.....。(立花隆『ぼくが読んだ面白い本・ダメな本 そしてぼくの大量読書術・驚異の速読術』120頁、より)

内容説明

太陽に背を向けた生物たち。口も消化管も持たず、細菌を細胞内共生させることで生命維持に必要な有機物を得るチューブワームなど、光合成に訣別した別世界の住人を臨場感溢れる筆致で描く。

目次

はじめに 深海に新たな生命観を求めて
第1章 深海アナザーワールド
第2章 深海の多様な住人たち―深海砂漠での生き残り戦略
第3章 謎の深海生物チューブワーム
第4章 熱水性生物の楽園「深海オアシス」
第5章 化石となったチューブワーム
終章 チューブワームは時空を越えて
付章 深海へのあくなき挑戦の物語

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

糜竺(びじく)

21
深海生物学も深海だけに非常に奥が深いと思った(笑)。2022/01/18

うえ

5
難解な部分もあるが興味深い内容。口も胃も腸も肛門もない生物チューブワーム。体内のバクテリアに本来、有毒な硫化水素を酸化してもらい栄養を得ている。チューブワームなどの移動について著者は、鯨の死骸を道の駅のように伝いながら移動しているのではという仮説をとなえる。が、「日本の研究機関はトップダウン方式で、上層部の意思が研究計画に強く反映される…われわれのCETUSプロジェクトは上層部のお気に召さないらしく、いまだに研究予算もついていない。一方、アメリカでは…続々と新たな鯨遺骸が発見され…研究が進められている」2017/01/06

misui

4
深海の熱水噴出に生息し「共生バクテリアを介したイオウ食性」を持つチューブワームを中心に深海研究を紹介する。これはとても刺激的で面白かった。チューブワームのみを見ても、生命の起源から地球外生物の可能性まで壮大なスケールで展望していて、生命観を揺さぶられるような興奮がある。光合成起点の食物連鎖から外れてるってだけでもちょっとしたブレイクスルーだった。付録の潜水船小史も素晴らしい。おすすめ。2010/10/28

Kyouko Yona

2
太陽に背を向け、食を放棄したゴカイの仲間チューブワーム、未知なる生物をかわきりにしてして深海の真髄へと迫る良書。 専門的要素が強く、地味なタイトルだか、著者の筆力とこの深海の世界への愛により非常に読みやすい。 また高加圧、低栄養とゆう静的世界の深海へも、生命はあらゆる手段で適応している事にも感動する。こんな所で生きれるならば、対をなす宇宙だって…。 2003年に記された本書、多少のタイムラグはあるかと思うが、ダイオウイカブームの足かけに、深海世界の入門書として一読して損はないはず。2013/08/05

rinichiro

2
「日の光に背を向け、硫化水素に縋る」と書くと、人間の話のようでもある。//もしもカモメになれないのならば、僕は深海のワームでいたいな。2012/01/23

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