出版社内容情報
稲の原郷はどこなのか。中国・長江付近で見つかった紀元前五千年の籾から「アッサム・雲南説」は覆された。細胞質内のDNA分析から稲に刻まれた日本とアジアの歴史を再考する。
内容説明
中国浙江省・河姆渡遺跡の発見により、稲の起源をめぐる論争に再び火がついた。紀元前5000年ごろの籾が長江下流域から出土し、通説とされていた「アッサム―雲南起源説」に疑問が呈されたのである。稲の原郷はどこか、稲の起源をつきとめられるのか。気鋭の育種遺伝学者が、稲の葉緑体DNAの分析とフィールド・ワークから、従来の諸説を考察しなおし、新説のバックボーンを検証してゆく。さらに、稲の伝播のルートをたどり、日本とアジアの稲作文明を再考する。
目次
1 稲の履歴書
2 ルーツを求めて
3 品種たちの兄弟関係
4 二つの稲作文明
5 イネのおこり