内容説明
心と世界、知ることと語ることの探究はウィトゲンシュタインが提起し、かつ語り残した尖鋭な主題である。日本の現代哲学の最良の部分もまた、彼の語り残したことを語ろうとする努力であると言うことができよう。本書は、それらの遺産を受け継ぎ心と言語をめぐる新たな枠組みを展望する。
目次
序章 ウィトゲンシュタインと現代日本哲学
1 私であること(人格・「私」・身体;他者とは何か;快楽をめぐって)
2 知ることと語ること(命題を知ること;哲学の身分と「自然化された認識論」;懐疑と意味;言語行為のなかの指示)
3 志向性の根(因果性と説明形式としての志向性;経験される因果;「アスペクト盲」と隠喩的想像力)