出版社内容情報
厳しくしつけるか,個性を尊重し自主性を伸ばすか.受験戦争の低年齢化に伴い,幼児からの能力開発や英才教育をうたう塾も花盛りである.発達心理学の立場から,ミルやウィーナー,ヴァイオリンの鈴木メソッド等実例に即して早期教育のもつ意味を考え,知的発達の日米比較など新しい研究成果を紹介しつつ,幼児教育はどうあるべきかを検討する.
内容説明
厳しくしつけるか、個性を尊重し自主性を伸ばすか。受験戦争の低年齢化に伴い、幼児からの能力開発や英才教育をうたう塾も花盛りである。発達心理学の立場から、ミルやウィーナー、ヴァイオリンの鈴木メソッド等の実例に即して早期教育のもつ意味を考え、日米の子どもの知的発達比較なども紹介しつつ幼児教育はどうあるべきかを検討する。
目次
1 開かれた能力と人間発達(ヒトの成長と初期教育;日本の幼児教育)
2 英才教育の光と影(遺伝か教育か;英才教育の試み)
3 子どもの成長と環境の力(野生児の神話が語るもの;見すてられた子どもたち)
4 初期教育を考える(初期教育の意味;初期教育の二つの方向;英才教育の課題)
著者等紹介
藤永保[フジナガタモツ]
1926年長崎県に生まれる。1952年東京大学文学部心理学科卒業。専攻は発達心理学。現在、お茶の水女子大学名誉教授、東洋英和女学院大学講師
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感想・レビュー
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takao
3
ふむ2024/04/11
於千代
1
初期教育段階の暖かな養育環境の重要性を強調し、過度な英才教育・競争に警鐘を鳴らす。90年の本なので、現在の発達心理学がどう考えているのかが気になるところ。2020/08/02
愛奈 穂佳(あいだ ほのか)
0
【大学在学中の4年間で、卒業後に進みたい業界に関係ある本を1000冊読みなさい、と言われたので挑戦した記録】 #0411994/12/31
秋津
0
1990年に発行された本。私は13年ぶりの再読。今につながる幼児を取り巻く問題は、すでに想像できる段階だったよう。虐待は、まだ日本ではあまり多く語られていなかったみたいだけど。発達心理学にはとても興味があるしこの本はとても面白いけれど、はからずも実際に幼児に何か教える場にいる自分には、解決の手ががりは得られなかった。「これ、いいことなの?」という懐疑的な気持ちのまま子どもと接する・・・疲れる。2011/11/17
ゆ
0
「英才教育の光と影」ウィーナーの例。9歳までに生物学を学んでいたにもかかわらず人形に魔法をかけると赤ちゃんができると思っていた。これから学べることは?再読する。2011/10/20